虹の彼方へ幸福の花を添えて

11 :豊聡耳神子(東方Project)
2015/09/20(日)　00：17

#君の声

こんなに静かな夜程、君の声が恋しいと言うのに。
全く。聞き慣れてしまった所為かそれが日常になっていたか、或いは有難味を失っていたのか。ふと聞こえなくなるとこの耳も寂しくなるわね。ただ聞こえるのは風の吹く音と、虫達の囀り。心地良い雰囲気も感じられるのだが、やはりそれだけでは落ち着かなくなってしまっているらしい。困ったものだ。
色々な人物の声を聞くも、最近は右から左。次の日には忘れてしまっている事が多い。流石に布都にも叱られたけど、仕方がないだろう？君の声がこんなにも恋しいのだから。落ち着くのよ、心の底から。気を遣わなくても良い、考えなくても良い。ただ心の感じたままに言葉を返せるのだから。私の心が許せるのは、ただ一人。君だけだ。

>そう言えば、最初はぎこちない敬語だったわ。
私を見て緊張していて、声も震えて、身体も強張って。顔を覗くと直ぐに視線を逸らしていたかな。最初から微笑ましかったが、…中でも、震える声で頑張って言葉を紡いでくれるのが可愛かった。一生懸命になって。顔を真っ赤にしていた事もあったわ。言われて一番嬉しかった言葉は、私の胸の中にある宝石箱に大切に仕舞っている。
どうして急にこんな事を思い出すのだろう。困った。…あぁ、これがきっと寂しいって感情なのかも知れない。想い人の事を思い出しては思い出に耽って気持ちを落ち着かせて。それでも今は静かなこの空間。…余程君の声が聞きたいらしい。

こんな私を君は笑ってくれるかい？
それとも、優しく髪を撫でてくれるのだろうか。出逢ってもう永い。出逢った頃の面影はもう無く、君は私を確りと見てくれている。どんな事があっても目も背けずこの手を離す事もしない。まぁ、可愛らしさは未だ現在だけれど。
私への想いを謳う言葉も、もう震えや迷いも無い。そんな声が心地良くない訳ないじゃない。毎日聞いていたいくらいなのに。だから早く明日になって、私に君の声を聞かせて頂戴。

そしたらこの私も君に心地の良い声を返してあげるから。

>>>>>

生きているとも。
私はずっと空を眺めていたよ。

[削除][編集][コピー]

[戻る][設定][Admin]

WHOCARES.JP