ゼラニウムに口付けを

4 :斧乃木余接(物語シリーズ)
2015/12/30(水)　05：37

鬼のお兄ちゃん、略して鬼いちゃん。

貴方があの重さを捨てたのは正しいよ。そもそも人の感情に正解も不正解もないし、人形の僕には言われたくないだろうけどね。
僕は人形だ。だから貴方達人間の感覚とはズレている。
それでも敢えて言うなら、あの選択は正しかった。

重みで潰れるくらいなら、捨てた方が良い。だって楽だものね、重さがなければ、身軽で軽くて、だけど僕からすればそれは何もないに等しい。
何もなくて真っさらで、どこに居るかも怪しいと僕は感じるけれどね。
でもそこは仕方ないよ。人それぞれだ、どうしようもない。

そんなに嫌そうな顔しないでよ。僕は人形だ、その辺りは貴方とズレが生じるって言ったよね。
だから僕に免じて許せ、間違えた許してよ。

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