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氷上の痴話喧嘩。
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ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/31(土) 09:27
>『Метеор』
現役復帰を決めてから、休みなく続けてきた練習も明日ばかりは休日だ。
殆ど年中無休に近いホームリンクも、元日だけは閉鎖されるからね。
ロシアの大晦日は盛大で派手。
浴びるようにシャンパンを飲んで、ホームパーティを開き、花火を上げる。
時刻は夕方に差し掛かった頃。
俺はと云えば、誘われたホームパーティを断って、自宅のバルコニーに出ている。
手にはホットワイン。
明日が休みだと思えば、酔い潰れたっていいのかもしれないけど。
なんとなくそんな気になれなくて、いつもより酒量も少なめ。
ふふ、ユーリが知ったら褒めてくれるかな。
左腕につけた腕時計は日本の時刻に合わせてある。
時差のある遠い島国は、あと数時間で新年を迎えようとしている頃。
ユーリは何をしているんだろう。コーハクでも見ているのかな。
ロシアの冬は寒い。
そう長い時間バルコニーに出てはいられなかったけど。
遠い日本と唯一繋がっている場所に、もう少しだけ居たかった。
頭上にある広大な空は一続き。ずっと、ずっと追っていけば、いずれ君のところに辿り着く。
―――大晦日はちょっとした奇跡が起きる不思議な日。
ロシア人は大抵の人がそんな風に考えているんだ。
今、此処に君が現れないかな?
…っはは、それはもう、ちょっとした奇跡じゃないね。
…あ。
見上げていた空に走った小さな光、それがあっと云う間に斜めに落ちて消えた。
久し振りに見た流れ星。
うん…、これがちょっとした奇跡だったとしたら要らないな。
…でも。
君がもしも、これと同じものを遠く続いた空の下で見ていたとしたら…。
それはちょっとした奇跡で、嬉しいかもしれない。
古い年が過ぎて、今まさに迎えようとしている新しい年。
新しい年が、君にも俺にも幸多き年であることを願って。
『よいお年を』
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