怠惰は眠らない。 - ⊂*本Ⅷ*⊃

10 :神原駿河(物語シリーズ)
2017/05/12(金)　19：32

むかしむかし、それは私がまだ阿良々木先輩に出会う前の事で戦場ヶ原先輩と並びヴァルハラコンビと称されていた頃の話。

私はその頃、部活帰りに一生使えない貯金箱にお金を入れ込むのが趣味だった。貯金と言うには少し違うか…、百円硬貨を数枚入れると代わりに猛者、美麗、箔押し等などのカードが筐体から排出されるのだが…これがまた射倖心を煽る煽る。女児に混ざってそんな事を暫く続けていた私のリアル貯金箱は火を見るより明らかにその数字を減らしていった。バージョンが変わると今迄のカードも使えないと言うおまけ付きで。気が付くと、私の手元には心許ない貯金と躍起になっていたにも関わらず紙同然の言わば負の遺産に成り下がった残骸が残ってしまった。ーーーーそれ以来、筐体にもましてや電子の海に沈む架空の通貨にも決して手は出さなかった。所詮はデータだと、自分に言い聞かせて。

しかしだ、私は同じ過ちを繰り返そうとしている…！DLC…DLC…何故私をこんなにも惑わす？

所詮はデータなのだ！架空、絵空事と同義！私の目の前にこの子達が現れその出で立ちで今にも見えそうな御御足を堪能させてくれる、そんな夢物語では無い。…しかし、この悪魔の取引にランダム要素はなく所定の金額さえ投資すれば提示されている物は手に入る。確実に。

これは…私が自分に戒め禁忌とした取引ではない。言わばネット上での買い物…そう、買い物なのだ！いやぁ、そうと分かれば話は早い。何を迷う事がある神原駿河。たった一押しで私の世界は変わるのだ、劇的に！

ポチッとなー。

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