雲を描く - ⊂*本Ⅲ*⊃

17 :十束多々良(K/△)
2017/11/22(水)　03：09

>俺だけの王様へ

俺で書くか、今長く一緒にいるアイドルの彼にするか、とても迷ったんだけど…
やっぱり、昔の思い出に浸るなら俺かなと思って
今回は俺に譲ってもらったよ。

出会ったのは本当に、運命なんじゃないかと思える、奇跡。
普段お互いに歩かない真夜中に、気まぐれで繰り出したのがきっかけ。
何度も失恋とお別れが続いて、こんな寂しさが続くなら、もう誰かを想う気持ちは心の奥に閉じ込めよう、そう思っていた時に、王様が会いに来てくれた。

#あの時の八田の荒れ方と言ったらないよねぇ。
#あれは流石に黒歴史。八田には反省してもらわないと。

結局朝になってお互い探し合うなんてドラマみたいなやりとりもあったり…あ、そういえばね。
王様の方から手紙で直接やりとりしないかって言われたのがものすごく嬉しかったんだよ。
その方が慣れているからって、きっと王様にとってはなんでもないお誘いだったのかもしれないけど。
傷だらけの俺には、まるで特効薬の塗り薬みたいに優しく広がって、本当に、嬉しかった。

#君が最初に俺を受け入れてくれたんだって、実感できたからかもしれない

俺から迫って、なんとかしてこれからもずっと一緒にいて欲しくて。
でもただ側に居るだけじゃ足りなくて、なんとか特別になりたくて。
それはもう必死だったよね。なんだか恥ずかしいよ。

でも、あの頃の俺のガッツは褒めたい。
その気合いで見事王様をこんなに長く、独り占めできてるんだから。

ありゃ、ずっと振り返る手紙を書こうと思ったのに、全然足りないや。
これから君を待つ時間とか、少しずつ振り返って行こうかな。

いつまでも貴方との思い出をなくしたくない。
もう薄れてしまった記憶もあるけど、残っている思い出をとても大切に抱き締めていきたい。

#王様も、これに気付いたら振り返ってくれていいんだよ？なんて。

君はシャイだからあんまり話してくれないかもね。
ふふ、何か言ってくれるかなあ、楽しみ。

#いつまでも愛おしい、王様へ。
>いつまでも愛し続ける、家来より。

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