Entendre** - ⊂*本Ⅲ*⊃

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15 :平和島静雄(DRRR!!)
2010/12/30(木)　19：23

#2010/08/05(木)　09：57

やっちまった。

嗚呼、格好悪い。
余裕もクソも無ぇよ、もう無理だ。我慢してたのか如何かは自分じゃ理解んねぇ、ただ眠てぇ時、俺は自制が効かねぇらしいことを、思い知らされた。

大事にしたかったからこそ、俺が感情的になっちゃいけねぇと思ってた。
アイツが吐き出すものを、全部受け止めてやんねえと、と、思ってた。
大丈夫だから、全部受け止めてやるから、お前はお前を我慢しねぇで、全部俺にそのままぶつけてこい、って。
こうやって失敗したことがあることを、識ってたっつうのに。

溺れなきゃ大丈夫なんだ。一線引いて、笑いながら、それでも嘘じゃねぇ好きって言葉を紡いでればそれで良い。
自制も効く、理性も働く、我儘は言わねぇ、どんな言葉も受け止めて居られる、嘘は綺麗に忘れて真実にしてしまう。
俺がそうやって器用にこなせば、こいつとは離れずに居られると思ったんだ。あの人がそうだったように。

でも俺はあの人じゃねェ。器が違うんだと思い知らされた。
やっぱ性に合ってんだかな、器用にこなすよりも、不器用にそうやって落っこちて頭抱えてる方がよ。
そこまで器がデカくねぇんだ。全部受け止めてやれる程強くねぇのに、強くなりたがる。寄り掛かり方が理解んなくなって、慰みに誰かを甘やかす。
泥沼に落っこちてって、耐えらんなくなって、どっかで爆発しちまうか、理解んねぇように離れて消えて行く。
俺の俺らしさなんて知ったこっちゃねぇが、自分自身を抑え込んで抑え込んで、雁字搦めになって、弱っちい俺は大事な奴らの手を自ら離しちまう。
あれだけ失いたくねぇと思ってたもんたちの手を、苦し紛れに払うんだ。そっからもう、取り戻すことはきっとなかなかできねぇ。掴んで引き寄せてくれる奴が居ても、結局俺が耐え切れ無くて消えちまうんだ。

嫌いじゃねぇよ、好きだからうまくそばにいられねぇ。
そんな自分の性根を知ってたからこそ、大事な奴を作るのは気が引ける。後悔しかきっと、残らねえ。
でも、俺が上手くやれば、そんな自分を出さねぇで、幸せだけをあいつにやることができるんじゃねぇかって思ってたんだよ。

やっぱり根っこが治らねぇと意味ねえな。
本気になんて、なるもんじゃねえよ。―――なあ、本気の俺でも、お前は受け止められるか？臨也。
辛ェけど、駄目なら仕方無え。
もう俺の息の根止めてやろうとも思えなくなるかもしれねえな。でも出来るなら、てめぇが居なくなるその時には俺の首掻っ切ってくれよ。
怒りでも蔑みでも何でも良い、お前に一寸の愛が残ってんなら、てめぇがいつかぼやいてたようにこの身体食っちまってくれ。

途端に湧いてきたのはとんでもない嫉妬と、独占欲と、怒りだ。
でもそういうのは長続きしねえ。直ぐに哀しみに変わっちまう性分でな。
俺が殴られたあの日、仕返しにてめぇが吐いた言葉に湧いたのは確かに、嫉妬と独占欲と怒りで。その喉を今直ぐ潰して、お前が俺の後の人間を見つける前に、ぶっ殺してやろうと思った。
苦しそうに歪む顔を見下ろしながらその細い首を折れる程に絞めて、俺をてめぇの最期にしてやりたかった。
―――なあ、そんな感情が湧いたとしても、今感じンのは途方も無い不安感だ。

なあ、本当に冗談だったのか。俺は手前の特別か。馬鹿みたいだろ、不安で、哀しくて、どうしようもねえ。
手前を、失いたくねえ。

こんな格好悪い所を、見せやしねえと最初に誓ったのに。

#こういう落ち着か無ェ時は、誰かとぼんやりしてんのが一番だと思う。
#例えば新羅なんかは、俺が飽きる迄側にいる。くだらねぇ話から真剣な話、下世話な話迄何でも来いだ。
#でもふと気付いたのは、臨也と一緒に居すぎて、暫らく誰ともマトモに連絡取ってねぇ事。
#毎日みてぇに話してた新羅とも、ぱったり連絡を止めちまった。
#盲目になんのは悪ィ癖だな、と思いながら。
#シェーキ奢ってやるから付き合え、って、連絡入れてみっか。

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