Entendre** - ⊂*本Ⅲ*⊃

366 :シン／ドバ／ッド(MAGI)
2012/05/10(木)　12：24

#5/9

#特殊設定注意

……訳がわからん。

今夜は少し時間があるものだから、マスルールを呼んで少し話でもしようかと思っていた。寝室に入るなり視界が暗く陰ったかと思うと、目の前には俺が立っていた。
否、正しくは俺じゃない。一瞬思考が停止したが、目の前に居るのは俺ではなく、フォカロルだ。
何故急にフォカロルが、しかも俺とは独立した状態で、あたかも「俺」が「魔装」したかのような姿形で現れたのかはわからん。フォカロルと内面で語り合う事はあれど、完全に独立したジンとして俺の魔力で実体化するなどと今まで一度もなかった事だ。第一そんな途方もない量の魔力を使えばいくら俺とて無事では済まん。
そんな俺の動揺を余所にフォカロルは気楽なもので、自分は客人だのもてなせだの喧しい。常に一緒に居るような状態で今更客人も何もあるものか。第一お前の主は俺だろうと言いかけたものの、諍いを起こしてジャーファルなんかが様子を見に来るものなら、フォカロルを見た途端卒倒してしまうだろう。
騒ぎ立てるのも良くないと、大人しく酒くらいならと振る舞う事にした。さっさと戻ってくれる事を祈ってな。

幾らフォカロルといえど、主は俺だとどこかで高を括っていたのが悪かったのかもしれん。
もちろんフォカロルを相手に悠長に隙を見せるつもりもないと、酒は飲まんと決めておいたのだが、結果的には欲しくもない酒を無理矢理呑まされ、服やら何やらそこらじゅうに酒を零すわ、踏まれるわ口の中にアイツの足指を突っ込まれるわ散々だった。極めつけには俺をマゾ扱いだ。ひどく酒も廻っていたし碌に起き上がる事もできずに言い返す気力もなく、心の底から疲弊した。

朝、目を醒ますと隣にはマスルールが居た。何事もなかったかのようにいつものように服を整えて、俺に朝の挨拶をした。
昨夜の事が何だったのか未だによく解らん。が、暫らくフォカロルには逢いたくないもんだな。

[削除][編集][コピー]

[戻る][設定][Admin]

WHOCARES.JP