スレ一覧
┗毒入りりんご(141-150/280)
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150 :
風見幽香(東方project)
2012/03/31(土) 17:16
私はとうの昔に枯れ果てた筈の向日葵の前にずっと居た。そこからどうしても動く事は出来なかった。向日葵は思い出の残骸だった。容易に咲かせることも、出来ない訳ではないのかもしれない。けれど私自身の深い部分、私の核となる部分が頑なにそれを拒んだ。そんな事はしてはいけないのだ。だって枯れた向日葵の息遣いを再び感じることに何の意味があるのだろう。矮小な存在を肯定も否定もせずに佇む残骸を無理矢理叩き起こして、歪に息をさせることはしたくない。
だから、私は泣いた。泣いて、泣いて、泣いていた。直接的に涙を流したのではない。心が締め付けられ、絞られたそこから雫が止めどなく溢れたのだ。その雫は毒だった。毒を吐いたのだ。吐き尽くせるだけの全ての毒を吐いた。
しまいには、毒の涙と絞り滓しか残らなかった。
ああ、アリス。
#あなたにこんなみっともないところを見られなくて、本当に良かったわ。
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貴女に似ている何かを無意識に目で追う、探してしまうこの悪癖を直さなくちゃ。アリスはもう何処にも居ない。幸せな夢にうなされるなんて、そんなのはいけないことだ。
#貴女はあったかいお日様の下で笑っているんだもの。優しく笑って幽香、って呼んでくれるの。
そんな幻想に胸を焦がして、どれくらいだろう。すべては比喩で、本当の私をアリスが見付けてくれる訳もない。しかし見付けてくれる事を心の何処かで祈っている私は、私は、なんてみすぼらしいの。
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149 :
風見幽香(東方project)
2012/03/31(土) 17:15
I am going in search of a great perhaps.様からバトンを頂きました。さくさく回答させて貰おうかしらね。
#【綴って!言葉遊びバトン!!】
>他人の描写、表現は気になるもの……そんな疑問をスッキリ解決!
>自分を高めるチャンスかも!?
>「回答後に素敵なお相手様が出来ました!」と歓びの声も!※使用感には個人差があります。
>小難しい事は置いといて、気軽に楽しく言葉遊びをしませんか?
>制作:ハリボテ日記
#step1.「月」を言い換えてみよう!
夜空にぽっかり浮かんでるパンケーキ的なアレ。永遠亭の人々の本来の住処?
…私の語彙の酷さが浮き彫りになるわね。ファンシーってどうやるの?
#step2.「桶」で駄洒落を言ってみよう!
まぁったくぅ~スミにおけ無いんだからぁ~!
…掛詞って難しいわね。なにこれ。部屋の隅で桶被って三角座りで反省するわ。
#step3.「手を繋いだ時の感触」を表現してみよう!
むにむに、ふにふに。単純で簡潔に。アリスの手は更につるつるすべすべが加わります。
#step4.「ひらめいたのがれき」を自分なりの漢字に変換してみよう!
閃いたの瓦礫。…一発変換だとこんな感じかしらね。
#step5.「渡し」で思い浮かぶ情景を描写してみよう!
渡しと言えば船渡しの彼女?桃色の恰幅の良い彼女が水面かどうかも分からない混沌とした沼に浮かんだ船を漕ぐ様、…ううーん、風流なんでしょうけど。描写するの難しいからまた今度。
#step6.「好き」を台詞で言い換えてみよう!要するに、告白してみよう!
「アリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリス。好き。後は分かるわよね?」
#step7.決め台詞を一言どうぞ!
アリスはかわいい。
#step8.「キス待ちロル」を描写してみよう!
ん…(唇)
いつぞやの紫の描写に影響されました。本当に有り難う御座いました。
#以上です!お疲れ様でした!
なんだか不真面目でごめんなさい、楽しかったわ。
#最後に貴方が言葉遊びを見てみたい方を3人ほど挙げてみましょう!
今回はアンカーで。
>I am going in search of a great perhaps.さん
バトンを回してくれて有り難う。初めて言葉を交わす…と言うか一方的に私信を送らせて頂いてる訳だけど。あなたの回答の女子力が高過ぎて羨ましいわ。自分の回答を読み返して涙目になったし、あなたをがっかりさせたんじゃないかと不安にもなるの。…ごめんなさいね。
でもとても楽しかった。それに愛読棚に入れてくれて有り難う。あなたの女子力高い記事にいつも惚れ惚れしてます。繊細で真っ直ぐで、一度お話してみたいなって思ったり。本が上がっているとちょくちょく読ませて頂いているし…ってこれじゃまるでストー…い、いえ…なんでもないわ。
なにはともあれ、バトンありがとうございました。これからも一読者として記事の更新を楽しみにしてるわ。
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148 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/13(火) 21:36
巫女好きがここ一週間くらいのあいだに悪化した。あんたがいなくなったらどうしよう?私が素直に愛情を向けられるのは今はあんたしかいないの。あんたも、そうだと良い。私の前で泣いて、笑って、怒って欲しい。
残骸に囚われたままだけど、あんたがこんなに好きよ。それは嘘じゃないわ。
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147 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/13(火) 21:35
巫女を抱き締めながら振り返ると、そこには残骸がみすぼらしく放置されていた。みすぼらしくて惨めったらしくて目を反らしたくなったけれど、その残骸を忘れることが出来ないのもまた事実だった。その残骸はかつて私の宝物だった。そしてそれは今にも息を吹き返すのでは無いかと云う期待に余韻を持たせたまま其処に佇んでいる。私に忘れるなとでも言っているみたいに、歪な輝きを残したままそこに居る。
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日本語が酷かったから訂正。自分の文を改めて読み返すと震えちゃうわね。なにこれこわい。
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146 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/13(火) 21:34
私はね、痛いくらいに愛されたいの。だからあんたくらいが調度良い。巫女はそう言って笑った。
本当に変わっている。この巫女は私が厄神だって分かって言ってるのだろうか。私の厄があんたの周りの空気にさえ嫉妬して破壊してしまうかもしれないのに、巫女は平気な顔をしている。まるで私の心配など些細なものだと言いたげだった。
そして私はこの巫女を愛している。抗う術も無く、心地好く彼女を愛している。きっとこの愛は心地の好い義務のようなもので、彼女の心を満たすためのものだろう。そう思う。確信に近いものを私は掴んだ。
私はどうやら義務を果たしているらしい。ならば願いは一つ。どうか、誰も彼女を私から奪わないで下さい。お願いです。私の大事な巫女なの。
>巫女には悟られないように振る舞っているけれど、本当は恐ろしい。巫女を失ったら私はどうしたら良い。また、厄を淡々と流せば良いの?巫女を愛するまで紡げなかった言葉を、また厄の中に忍ばせるの?
それってすごく恐ろしい事だわ。
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145 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/13(火) 21:32
夢みたいな一時はあっという間に過ぎてしまう。私は夢のような巫女の幻影を抱き締めながら眠る。暖かくて柔らかくて、確かに巫女が要るような気がするのだ。彼女を抱き締めてくるくると回る、……全て幻影なのだけれど私は神だから彼女を顕現出来る。そして回り回って気付けば私は厄を抱き締めて回っている。その厄に顔をしかめるのは本物の巫女の役目だ。
彼女を言葉で永久に繋いでおく事が許されたら良いのに。けれど、許されない。永久に。
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144 :
風見幽香(東方project)
2012/03/05(月) 23:18
捨て置かれるべき想いを此処に記し始めてから幾月が経ったのか。時の流れに身を委ねても無くならない想いは振り返るとすぐ傍で私を呼ぶ。蔦のように足に絡み付く。傘で何度となく払っても決して無くなってはくれない。
彼女の面影に、幻想に、囚われたまま私は動けない。妖怪だから原子の霧にもなれないし。……なんてね。
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エリーが寝ていた。起きて、と言って身体を揺すると鎌を突き立てて不機嫌そうに私を睨んだ。この従者…やりおる。
けれど、私を睨む目が少し腫れていて心が痛んだので許してあげることにした。
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やばいやばい、今頃気付いた。竹輪の穴さん(…)、毒リンはすこぶる元気でしてよ。今更過ぎましてよ…。ごめんね。
また会う時が有ればあなたの心眼で見抜いてちょうだい。
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誰よ、14日がお返しの日なんて決めたのは。エリーに何をあげたら良いの…。
何も要らないんで寝かせて下さいとか言いそうだけれど。
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143 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/05(月) 23:15
向日葵妖怪の出番を減らさないといけない。私が未来なら彼女は過去に生きている。しかも遠い過去。捨て置かなければならない過去を引き摺っている。とうの昔に失われた想いの残骸の前に枯れた花を持ってずっと立っている。そして泣いている。終いには馬鹿みたいに祈っている。私はその後ろをくるくる回って通り過ぎる。妖怪の厄は私に背負える種類のものではないから、気配を殺して回っている。
そうやって何かにぶつかった先に、件の博麗の巫女が居た。巫女は神聖で全く穢れていなかった。そして私のような厄神でも良いから傍に居て欲しいと言った。寧ろ厄神だから良いのだと。祓う手間がある方が良いのよ、退屈しないからと言ってのけた。神に向かってなんて言いぐさだろう。そう思った。
けれど、彼女は泣くのだ。本当に辛いときには笑わない。辛そうに泣く。厄神の私の身体を抱き締めて泣く。私もなんだか悲しくなって泣く。彼女を抱くと、私の厄は彼女の涙に簡単に浄化されてしまう。彼女の涙には本当に力が宿っているのだ。悲しいときに泣いている彼女を癒すつもりが逆に与えられ、癒されている。本当に退屈しない、あんたは慰めてくれるからと彼女は言うが、真逆だ。彼女こそ私を慰めてくれるし寄り添ってくれる。こんなに愛しい存在を、涙を、私は知らなかった。今までに抱えていたものとはまた違う。全然違う。私は確かに彼女を愛している。これはあの残骸の前に居る向日葵妖怪のものとは違う。生きた、巫女への想い。死んだ想いじゃなく生きた想いに心が波打つのを久し振りに味わった。
辛いときには泣いて欲しい、嬉しいとき笑って欲しい、憤ったときには怒って欲しい。憎んで私を叩いても良いし、泣きわめいても良い。受け止めるわ。あんたのすべてが私を癒すもの。博麗の巫女、あんたを全部愛してるわ。
#なんて厄いんでしょう。
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142 :
風見幽香(東方project)
2012/03/05(月) 23:13
降り頻る雪の中、夢の中でアリスと話した。彼女はいつも通り笑っていてその笑顔が堪らなくいとおしかった。けれど、私は臆病な笑顔を向けるばかりで、頭の中で必死に言葉を練って訳の分からない単語の羅列を絞り出す事で精一杯だった。彼女には私が饒舌に見えたかもしれない。けれど違う。あれは本心なんかじゃない。ずっと好きだった、忘れたことなんてなかった。また会いたい。会いたい。会いたい。けれどそんな事を願って何になるのか、そんな言葉を口にして許されるのか葛藤した挙げ句私は何も言えなかった。
きっと私はあの子に愛されていないから、私には何かが足りないんだとずっと思っていた。でもそうじゃなかった。本当の意味で私が愛していたのは私だった。私は私を愛していた。彼女の愛が足りないと喚いて、彼女を枯渇させていった。そんな事が思い出されて、ただ謝るしかなかった。けれど時間は短くて、彼女に十分に謝罪は出来なかった。
許して欲しいの、アリス。何も望まないから、元気に幸せで居て欲しい。
私達のどちらから先に手を離したかなんて分からないけれど、アリスが永久に消えないように私が手を離さなければアリスはまだ傍に居たかもしれないのに。
ねぇ、アリス。貴女が幸せで居るなら私にとってそれ以上の幸せは無いのよ。
確かめる術はないし、最早祈る事しか出来ない。
けれど、この祈りが届けば良い。ただの妖怪には祈りを現実のものにする力はないものだから、不確定だけれど。
雪の中掴まれた彼女の手は冷たくて、震える彼女がいとおしかった。愛してる、愛してる。私のアリス。何もしてあげられなくて、与えられなくて御免なさい。彼女に他に寄り添う存在が居ても構わない。
思い出の中の、私だけのアリスだもの。いつまでも愛してるわ。
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141 :
鍵山雛(東方project)
2012/03/05(月) 23:12
あのとき私は絶望に胸が押し潰される寸前で、鼓動は絶えず早鐘を打ち鳴らしていたし息も上手く出来なかった。恐怖に怯えて声も出さずに泣こうとした私の前に颯爽と現れたかと思うと髪を撫でて抱き締めてくれた。荒れていた心が凪いで心音も穏やかになった。
ああ、どうしようもない何か、厄を、彼女が払ってくれたのだ。
巫女を愛している。巫女なしじゃ私は呼吸もままならない。お願い、誰も巫女を奪わないで。私にとって必要な巫女なの。彼女にとってそうじゃなくても、私には彼女だけしか要らないのよ。
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