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┗毒入りりんご(161-170/280)

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170 :イヴ(Ib)
2012/08/19(日) 20:51

ギャリー、これなんてよむの?へぇ、そうなんだ。じゃあこれは?これは?絵がないからわからない。難しくて、読めないよ。

あれ、ギャリーどうしたの?お顔、真っ赤だよ。

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169 :メアリー(Ib)
2012/08/19(日) 20:50

私はいつの間にか此処に居た。美術館の中。どうしても人間の友達がほしかったの。それでも誰も友達にはなってくれなかった。

だから花占いばっかりしてた。すき、きらい、すき、きらい……って。ああ、きらいな花びらが残った、この人は私がきらいだからいらないや。そんな人ばっかりだった。

でもギャリーは違った。すき、きらい、…すき。最後に一枚だけ残った花びらが教えてくれたの。ギャリーは私のこと、すきだって!
でもイヴは花占いを最後までさせてはくれなかった。そう、イヴはギャリーがすきなの?それとも、私がすき?

私がすきなら薔薇をちょうだい。
花占いで決めてあげるね。
私?私はイヴが世界で一番スキ。だからねぇ、早く。
#イヴの薔薇、ちょうだい。

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168 :イヴ(Ib)
2012/07/19(木) 11:52

ギャリーのバラ、返して…返して、返して、返せ。返せ返せ返せ!それはわたしのバラなの。だってギャリーはわたしのものだもん。メアリーにも青い人形にも渡さない。

ギャリー、もう大丈夫。わたしが、ギャリーのバラを握っているからね。
枯れそうになったら花瓶に。ほかのバラを見たら、花占いに。ああすてきだね、ギャリー。ギャリーのバラは世界一きれい。そのバラはわたしのもの。

だいじょうぶ。わたしのバラもね、ギャリーのものだよ。

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167 :ギャリー(Ib)
2012/07/19(木) 11:51

ゲルテナは一々悪趣味よね、ホント。逆さに吊られた男と目が合ってそれはもう恐ろしかったわ。だって、その目は見たことがあったのよ。え、何処でって?ええとね、そう。鏡の部屋。
鏡に映った、アタシの目。

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166 :メアリー(Ib)
2012/07/19(木) 11:50

割れたマネキンが頭に刺さって、どんどん薔薇の花が散って行くの。花瓶のお水ももう無くて、薔薇が萎れて行くの。ああ、奇麗ね。奇麗ねイヴ。ギャリーもきっと奇麗って言うと思うよ。良かったね、イヴ。

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165 :風見幽香(東方project)
2012/07/19(木) 11:49

日傘を貫通するレーザー…じゃなかった、直射日光が憎いわ。いくら私でも太陽を握りつぶすことなんて出来やしないんだから。
太陽に照らされる向日葵の為なら、身を焼かれても構わないけれど……紫外線は妖怪にだってあんまり宜しくは無い。

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小休止。


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未練がましい私から、アリスに捧げたい花が有るの。スイートピー。
花言葉は優しい思い出、門出、私を忘れないで。

飛んで行く蝶に見えるピンクの花は、まるであなたみたいね。アリス。捕まえる事は叶わなかったから、せめてあなたに似た花を此処に植えようと思うの。私をどうか忘れて、忘れて、……忘れないで。

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164 :風見幽香(東方project)
2012/07/19(木) 11:48

私は寂しいのが嫌だった。ただただ寂しい自分が可哀想で、会いに来れない彼女を心の中でひたすらに責めていた。彼女にもきっとそれは伝わっていたと思う。彼女の表情は日に日に曇って行ったし、辛そうにぎこちなく笑うようになった。
私は心を自ら腐らせたのだ。けれど彼女はその要因は自分に有るのだと彼女自身を酷く責めていたように思う。
私の心の片鱗に触れるのはさぞや痛かっただろう。トゲだらけの、汚い心。
けれどその汚い茨に、それでも彼女は触れようとしてくれた。指を切って、深く傷付いたのは彼女だったに違いない。

>彼女を一人残して離れる事が出来て本当に良かった。愛しく思う事はあっても、後悔はしていない。

世界で一番幸せになって欲しい。私のアリス。



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エリーの作った朝御飯美味しい。農作業頑張れそうよ。ありがとうエリー。

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163 :風見幽香(東方project)
2012/07/19(木) 11:47

夢に、アリスが出てきた。私の傍に彼女は来て、そして瞳に涙を浮かべて私をきつく睨んだ。彼女に何か睨まれるようなことをしたのか、私には全く覚えが無かった。
けれど、彼女は私の聞き取れない言葉で慟哭し、私を罵った。

#狡い、卑怯、だいっきらい。

そして私に背を向けた。待って、と言おうとしたけれど、脚に蔦が絡み付いて動けなかった。喉には糸が絡んでいたように思う。言葉は、出なかった。私が悪いのを理解していたし、もう彼女に背を向けられた事実も理解せざるを得なかったから。

彼女の言葉が脳にまとわりつく。直接的に罵られた事はなかったけれど、彼女の瞳は全てを語っていた。
ああ、嫌われてしまったんだ。そう思うとどうしようもなく悲しくなって涙が零れた。


>アリス、アリス、アリス。御免なさい。ごめん、ごめんね。私は貴女の邪魔ばかり。足を引っ張ってばかり。こんな私なんて、いらない。アリスに嫌われる私なんて、要らない。愛されたかった。愛したかった。私の、私のアリス。御免なさい。


目を覚ますと、泣いていた。私の顔は、たいそう醜かった。

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162 :上白沢慧音(東方project)
2012/05/25(金) 05:22

盲目的で偏執的で地面を這いずり回り醜い声を上げる事しか出来ない私に光を向けてくれたお前に、私は感謝してもしきれないし謝っても謝り尽くせない。

お前には私を自由に物のように扱う権利が有った。誰が見ても明白だった。けれどそうしなかったお前の優しさと言ったら。

お前は世間の誰が見ても眩しい太陽のような存在だった。私には手の甲に接吻して跪く事くらいしか初めから許されてはいなかった。
美しいお前が私を見てくれた。幸せだった。

一瞬でも尊く私を照らした光をまた欲しいまた浴びたいと乞う醜い妖怪を、どうか笑っておくれ。

お前が光をくれたのに蒸発し損ねた醜い妖怪だ。もしお前が私を哀れに思ってくれるなら、私を馬鹿だと罵ってくれるなら、熟幸せな事だと思う。

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161 :上白沢慧音(東方project)
2012/05/25(金) 05:22

妹紅の手を掻き抱いた。私が今触れる事が出来るのは彼女の腕だけだった。後は燃え尽きて灰に為り、跡形も無くなっていた。彼女の白い腕だけが扇情的に幻惑的に私を宥めた。それは絡まる蔦のようだったし、抜けない棘のようでもあった。白い腕一本で、こんなにも彼女は私を支配する。
魂が無くとも支配し続ける。

彼女の美しい魂が私の傍に居なくて、本当に良かった。私のような醜い妖怪に腕一本を残してくれた彼女は、優しくてあどけない永遠の少女のまま私の歴史に名を残した。
私は永劫醜い妖怪のまま誰の歴史にも名を連ねる事は無い。
それで良いと思う。いや、そうあるべきだと思う。

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