出逢いがないのならフラグを作れば良いのです！

16 :忍，野メ，メ(物，語シリーズ)
2016/04/19(火)　23：45

はっはー、満を持して僕の登場、──なんて、ね。

いやいや、満を持される程のもんでもなんでも無いんだけどね、本来僕は話を聞く側であって書くのは滅法苦手なんだ。とかなんとか言って、この場を凌ごうとか──お茶を濁そうとか、そんな事は思ってないよ。思っちゃあいない。……ちょっと思ってるかも。(←)そういや先日金縛りにあったんだよね。眠る前にそれらしい本を読んでいたのが原因だったとは思うんだけど、気持ちの良いもんじゃあないよねえ。まさに夢か現か──身体は重い、勿論動かない。声も出ないときたもんだ。なんだか気配がするようなしないような、引っ張られるような感覚と一緒に声がしたような気がした──のはもう、夢だよ、夢に決まってるさ。そりゃあ僕だってお化けは怖いんだよ。こうして数々の怪異譚を集めちゃあいるけれど、何て言うかな……日本のお化けって少し不気味すぎるんじゃあないかい？──まあひとくくりにお化けとは言っても、所謂妖怪の類いはユーモアというか、面白味があるけれども。そう言う意味では付喪神であるところの童女のあの子は本当に面白味しかないけれど。俄然興味は尽きないけれど。おっと話が逸れたね、話題を元に戻そうか。──幽霊。僕が言うところの不気味の類いだね。存在を知ってほしいのかほしくないのか、そもそも本当に存在するのか。残留思念の固まりならばそれは存在と呼ぶに値するものなのか。彼らの存在を非存在とするのは生前の史実まで否定しかねない所だから難しいところだね──そんな事はまあ今回の件には関係ないからこの話はこれでおしまい。とにもかくにも、気配だけはビンビンに感じ取れるのに現れるでもない彼らは物音と気配だけでこちらの背筋を凍りつかせるっていうね、卑怯だと思わないかい？金縛りって言うのがさらに卑怯のレベルを上げているよね。こちらの自由を奪っておいて、気配だけを強烈に残していく。物理的な接触をするわけでもないしさ。（あっても困るけど。勘弁してほしいよねえホント。）じっと堪えていれば気付いたら身体が動くようになるけれど。暫くは目を開けられないよね。なんだか屋根とか遠くのほうでカタカタ音がしている気がするし。足音のような気もするし。気のせいだけど。そ、僕の「そんな気がする」せいで、そう感じているだけ……でありますように。切実に。

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