スレ一覧
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119.龍兎相和
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13 :
丹/楓(H/S/R)
2024/07/08(月) 13:19
薄暮の頃合いに何とか屋敷に戻り、白珠を連れ出した。毎年この時期は金人港で乞巧節の祭がある。昨年まで、馴染みの茶屋の上階を取っては五人で酒を呑むのが通例であったが、今年は応星も鏡流も、果ては景元まで行けぬと言う。……気を遣われでもしたのかと訝しんだが、まあ良い。
この話を白珠にも零した所、「五人が良かったのか」という旨で聞き返された。真意は汲み切れなかったが、同じ答えであった事は嬉しく思う。来年は無理を強いてでも三人とも呼び付けると決めた。
道中、翠色の硝子で出来た風鈴を買う。
あの窓辺で、お前と過ごすひとときの添えに恰も好しかと一つ選ばせたが……翠色は余の瞳の色であるから、と。自身の眸の風鈴の音に妻を想うと云うのも些か難儀な気がしなくもないが、まあよい。お前が選んだものが好い。
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夏の夜風にあたり、酒を嗜み、その毛並みを愛でていれば、すぐに婀娜めいた素振りを見せて来るので参る。
余のうつくしい狐は、誑かしているのかと冗談を言えば、籠絡したのはあなたでしょうと艶やかに微笑うのだ。
……誑かされていたとて構わぬ気にもなる。
……
一先ずはこの辺り迄。
嫉妬に駆られた己を書き残すか否か、熟考を要する。
悋気を焼く姿が可愛かったなんて書いたらまた拗ねてしまいそうだけれど、あなたの羽織りを肩に掛けて貰うのは悪くない気分だった。
Dan Feng
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