三月なのかについて ②
□ご機嫌
背景にあの花が舞っている…ように見える。分かり易い。誰でも分かる。三月の機嫌を取るには、口付けよりも撫でる方が効果的な気がしている。膝に寝かせて、文字通りの猫可愛がりだ。後は…我儘を叶えてやると、ぴょんぴょん跳ねる勢いで喜んでくれる。兎。
□不機嫌
頬を膨らませて(比喩)じっと睨んで来る……この程度であれば日常茶飯事だし、可愛いものだ。俺の意地悪や指摘ひとつで直ぐに不貞腐れるが、機嫌が戻るのも一瞬だな。
だが本格的に落ち込んだり悲しみに飲まれると、表情が消える。…あの三月から色が消える様は、俺に危機感を与えるに充分だ。なるべくそんな顔はさせないようにしたい。
□仕草
照れ臭い時に横髪を摘む癖がある。可愛い。
俺に何かを強請る時に、俺の服を握る癖もある。これも可愛い。それ以外だと…キスをする時に背伸びをしているところ、人前でも平気で腕を絡ませて来るところ。髪でも頬でも、撫でた掌に擦り寄って来るところ……なども可愛いところだ。細かく挙げればきりがないな。
□愛情表現
性格の欄に記した通り、素直で真っ直ぐ。「大好き」を何度も言葉にしてくれるし、俺に倣って「愛してる」も増えた。だが、俺は何となく「大好き」の方が三月らしくてそう言われるのが好きだ。精神的にも肉体的にも、あらゆる意味で俺を受け入れてくれている。俺の喜ぶことを探して、俺の望みを叶えようと真摯に努めてくれる。向き合い、逃げず、離れず、傷付いても、俺の傍に居てくれる。その愛情深さには感謝してもし足りない。
□独占欲
それなりにあるようだが、その表出さえいつも可愛らしい範囲に収まっている。見習いたい。いつだか虫を追い払う際、「ウチのだからあげないよ」と言って舌を出していたのは可愛かったな。時々俺の性的興奮に対して本当に自分だけなのか、と確認して来るが……あれは信じていない訳ではなく言わせたいのだろう。
□性癖
三月に性癖はあるのだろうか……?分からない。強いて言えば恐らく、俺そのものだ。何処をどう可愛がろうと、俺の期待を遥かに上回る反応を見せてくれるからな。他は……最中の俺の顔が好きらしい、というくらいしか……ああ、ひとつあった。恐らくだが、俺の理性を失わせるのが好きだ。無自覚だろうが……優しく触れている時よりも、そうでない時の方が反応が良く……表情からして期待している、ように、見える。……はあ、人の気も知らないで。
□総評
明るく、愛らしく、華やか。じっとしていない所はさておき、俺にとって三月は花だ。俺をときめかせる事に掛けて天才的で、その才の向く先が永遠に俺だけであることを願って止まない。三月は確かに変わっていないが、俺の為に変わってくれた所が沢山あることも知っている。時々、俺では不相応ではないかと悩むことは未だにあるが……それでも、あの時三月が「幸せにしてくれなくても、丹恒がいい」と言ってくれた言葉はずっと心に刻んでいる。それならば俺も応えよう。例えお前が望まなくとも、必ず俺がお前を幸せにしてみせる。だからこれからも、俺だけのお前でいてくれ。
………三月に釣られて長々と綴ってしまったが、果たしてこれは総評と呼べるのか…?
Dan Heng