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119.龍兎相和
 ┗39

39 :丹/楓(H/S/R)
2024/07/20(土) 21:23


妙案を閃いた。
以前、お前が子守唄にした余の口説き文句……同じものを再び語り聞かせるのも如何なものかと二の足を踏んでいたが、お前の為に此処へ書き記しておくとしよう。余の厚情に感謝すると良い。


尾が揺れる様が好い。
その眸が、弓が撓るように弧を描いて笑う強かなかんばせ。眦を下げて蕩ける艶笑。鈴を鳴らすような笑声と、幼気な笑顔。
余を掌で転がす言の葉に、それを操る愛い声。
柔らかな肌、艶を絶やさぬ毛並み、華奢な骨格のかたち……勇敢な心意気、己を盾にし、他者を守る高徳さ。
肌をなぞると上がる顎、余を掴む手、…小さなくちびる。
余の毛繕いで微睡み、脱力する肢体。
余の肌に触れる手付き。煽る嬌声。
いとしい、全て。
白珠、愛している。お前でなくてはならぬ。細胞のひとつ、涙の一粒に至るまで、お前の全ては俺のものだ。



序でに、もう二度と聞けぬであろうお前の妙言(誤用ではない、態とだ)も記録として残しておこう。お前の名誉の為、背景・経緯は省く。

「ばか飲月」

……応星は腹を抱えて笑っていた。奴め、余が見ていないとでも思ったか。

お優しい龍尊様って思っていたら、もう、あの晩のことは忘れて欲しいのに。
あれは暫くみんなに笑われて、本当に恥ずかしいというか、……でもそれを書き記すってことは飲月、あなたも気に入ってるってこと…?

贅沢な口説き文句のお返しは、何で返しましょうか。
また考えておきます。


Dan Feng


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