甘えん坊の兎のような三月の仕草に恋慕を自覚させられ、思わず溜息をこぼした。
不思議そうに見上げるので、お前のせいで溜息が出るのだということ、溜息を吐くと幸せの妖精？が逃げるだとかなんとか、以前三月から聞いた話を持ち出したところ、

「仕方ないな～、ウチが幸せにしてあげる！」

……と。お前のせいだと言っているのに、そのやれやれ感はなんなんだ。
何でもない日々の中で、お前の無邪気な一言がこんなにも可愛く、事実として俺に幸せをもたらす。いくら溜息を吐いて幸せの妖精とやらに逃げられようと、お前ひとりいればこんなにも俺の幸福は満ち足りるのだから気に掛ける必要はないな。
これから先もお前の無茶に、素っ頓狂な発言に、…許容範囲を軽々超えて来る可愛さに、俺は溜息を吐くだろう。俺だけの幸せの妖精は、どこにも逃がさない。
ウチが丹恒の幸せの妖精ってこと？それなら嬉しいし、ウチが目一杯幸せにしてあげるから安心してね！




Dan Heng