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119.龍兎相和
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白珠の手記(崩壊:スターレイル)
2024/09/04(水) 01:48
予定通り羅浮を出立した。過保護なあたしの龍は直前に星槎をもう二隻増やして、万全の準備をしてくれたらしい。大仰な数の星槎に下手したら侵略と思われ兼ねないのではないかと一抹の不安が過ぎる。というかあの人はあたしが星槎を何隻も落とすと思っているかもしれないがいつも一隻しか落としてない。だってあたしが乗る星槎は一隻だけだし、なんとなく今回は落ちないような気がする。沢山の荷物も、贈り物も──気づけば貰ってばかりだった。そういえば伝え忘れたけどあたしが置いた贈り物に彼はいつ気付くのだろうか。大っぴらに置いておくのは少し恥ずかしかったからもしあたしを恋しがって寂しくなったときに見つけられる場所に置いたけど、これで気付かなかったらそれはそれで面白い気がする。以前、腕輪を送ったことがあるけど今回は筆だ。あたしの尻尾の毛を使って作った特注のもの。尻尾の手触りは変わらないだろうけど気に入るかは不明だ。添えた手紙も今思うと少し気恥ずかしい気がする。「比翼連理」…たった四文字でも意味は伝わるだろうし。それがわからない人ではないから。
託された香膏を使い尻尾の手入れをした。いつ以来だろうか、手入れされるのが当たり前になったことに不可思議な感覚を抱く。あの時間が少し恋しくなって小さく溜息を漏らした。必要なこととはいえ、離れることに不安がないわけじゃない。雪浦と名乗る龍師のことも灯籠流しの晩に声を掛けたあのお嬢さんも、何も解決したわけではないし。出来るだけ早く帰りたいと思ってしまう。随分と狭量になってしまった気がした。ひいおばあちゃんがよく言っていた、「恋には狂うな」と。あたしのこれは狂っているのだろうか。
星槎は予定通り進んでいる。明日の昼には曜青に着くだろう、そうしたら丹楓に連絡をして、定刻になれば黄鐘を鳴らさないと。過保護にも思えるそれを嬉しく感じてしまう。
──別々に寝るのはほんの少し、
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Bai Heng
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