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130.BLUE LAGOON
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12 :弦月
2024/07/23(火) 10:18
故郷に帰ることは無いと思う、と彼が話した時に、「手紙くらい出してあげなよ」と言ったことがあんだよね。
って言っても別に親を大事にしろとかそういう……説教じみた話をしたいわけじゃなくて。俺たちこんな稼業やってるわけじゃん、生きてる上での後悔なんて、少ない方が良いんだよ。別れっていつ何時やって来るか分からないんだから。
ずっと黒衣森の中で育ってきた君は知らないかもしれないけど、俺もなかなかに自然豊かな土地で育ったんだよ。一面緑豊かで牧草は生い茂ってて、川も池もあったし兄弟と泳いだこともある。
信じられないことだよね、君がリスだか何だかに覆われて苦しんでたあの真っ白で不毛なクルザスがかつては緑豊かだったって。
俺も霊災の後は、これは夢なんじゃないかって思ったんだよ。でもきっと、かつての景色の方が夢だったんじゃないかな。だったら、母さんと父さんがドラゴン族に殺されたときに一緒に醒めて欲しかった。
世には戻らない物が多すぎる。
本当に、別れを告げる瞬間なんていつ来るか分からないんだよ。
……家族も、故郷の景色もね。
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