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130.BLUE LAGOON
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8 :翠縹
2024/07/15(月) 11:42
アジムステップの風景がとても気に入って何度も足を運ぶようになった。
故郷は人里離れた山奥の小さな村だったから空気も綺麗で星もよく見えたが、鬱蒼とした森が空を覆い隠してしまって空が狭く感じていた。いつからか、それを酷く窮屈に思うようになっていたと思う。
もう故郷に戻ることはないし、旅をして未練も消えつつあるが、偶に胸の辺りに何かがつっかえているような感覚に苛まれた時は、あのアジムステップの広大な草原を吹き抜ける風とどこまでも広がる空が恋しくなる。
少し前にアジムステップを訪れた時は弦月の夜だった。
その月を見て真っ先に君を思い出した、なんて言ったら彼はどんな顔をするんだろうか。恥ずかしい人、とまた言われてしまうかもしれないが、本当のことなのだから仕方がない。あの日の弦月の夜は、彼のことがとても恋しかった。
次に行く時に誘ったら一緒に来てくれるだろうか、と思ったが彼は虫が苦手だったな。彼が苦手としているようなモンスターはいない地域だが……虫除けの香と酒を用意すれば……どうだろうな……酒場以外の誘い方がわからん……。
『一緒にいてくれ』
の一言でいいんだよ。
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