食事をする口元
髪をかきあげる
細められる目
腰を撫でる手
俺の家の鍵を大切そうに首から提げる
俺を見る目が欲に濡れる時
あんたの存在全部好き。
骨の髄まで食べ尽くして欲しい。
段々季節が夏に向かって変わっていく中で、夏になったらしたいことってリストを作ってみるかな、って悩んでる。
ユカタヴィラを着るって言うのは達成したから、あとは光華を見に行くって言うのと、海に行きたいって言うのだな。アウギュステに二人でバカンスに行こうぜ。
昨日の夜に仕込んでおいたローストビーフと、帰ったらポテトサラダを作っておこう。
ローストビーフのソースは赤ワインソースで、それにオニオンスープ!明日頑張れば明後日は非番だし、気合い入れてかないとな!
今日はいい天気で日差しがちょっと暑いくらいだな。昨日はいきなり雨が降ったり雷が鳴ったりで眠気に勝てなかったのが悔やまれる、っていうか、寝る寸前までジークフリートさんと居られると夢の中によく出てくるんだよな。夢の内容は多岐に渡るけどさ。……言えないようなこともあるよ。
>今日のご飯
夕飯はジークフリートさんが作ってくれるって言うから楽しみ!
まぁでも、さ。夕飯食べるより先に俺を食べて欲しいなー、なんて。ずっと我慢してる状況って、お互い身体に悪いだろ?
天気が荒れるとジークフリートさんの中の竜も荒れるのか、ひたすらに眠気と戦ってる姿が見られる。俺の前でだけ気が緩んでそうなるのか、人前では気を張って大人で格好良い姿しか見せてないのは流石だと思うけど。
俺の前でだけ甘えを見せてくれるのは正直たまらない気持ちになる。俺以外に見せないでなんて独占欲が滲んで隠しきれないその言葉が、意図せず勝手に口から飛び出ちまう。それでも笑ってそれを受け入れてくれるんだよな、俺のわがままを嬉しそうに聞いてくれるその顔にまた、惚れ直してるなんてさ、気付いてた?
イデア先輩が『君の日記見ると飯テロくらうんですが?』と言っていたので見返したが、確かにかなりの頻度で夕食の献立を並べているな、と気付いた。仕方がないんだ、親父殿にキッチンに立たれては死屍累々となってしまう。それに、マスターシェフを履修した俺は料理に目覚めた、という事にしておいてくれ。
美味しく食べている姿を見たい、と思うと自然と上達すると思っているが……美味しい、と言われるだけで全てが報われる気がする。
あの人の口に運ばれる食材、覗く舌先が目に毒だな、と思っているのはここだけの秘密だ。