昨日今日と二人で過ごす時間が少し減っちまってる。今日は朝起きて挨拶をして軽く話して、俺が騎士団の詰所に行くのを見送ってくれたんだけど、どうやら依頼が立て込んでるみたいで一気に二つとかやってくるらしくてさ、そんなん無理しないでくれよと思っちまう。いくらあんたが強くて頼りがいがあるとは言えさ、たった一人の人なんだから。帰ってきたら甘やかしてやりたいなって思うけど、甘えを良しとはあんまりしない人だからなー……自分を律せる大人なあんたが、たまに箍が外れちまう瞬間が堪らなく好きだよ。
上に生クリームを搾ってミントの葉を添えて、とかどう？
ジークフリートさんはモテる。それはもう恐ろしい程に。謙遜してそんな事は無いとか言うけど、モテると思うぜ。俺はその逆でまじでモテない。恋愛的な要素でさ、そんな目では見られないって言われちまう。って言っても信じないんだよなぁ。あんただけだよ、俺を愛してくれるのは。そう言ってるのにさぁ。
人の好みは人それぞれ、だぜ。
ブルーベリーのジュースを飲んで何となく、花言葉を調べてみた。図書館にいると珍しいなって顔をランちゃんにされたけど、俺だって資料を調べたりするのに使いますー！って言ったら笑ってたっけ。
それで、調べた結果「実りのある人生」「知性」「信頼」「思いやり」 って言葉が出てきて、ふっとジークフリートさんを思い出した。なぁ、今さ、幸せ？なんて脈絡無く聞いたら驚かれるかもしれないけど、聞きたくなった。
いつもの優しい笑顔で頷きながら抱きしめてくれるかな、なんてさ。
……めちゃくちゃ会いたくなっちまった。昨日寝落ちしちまったからだろうなぁ。寝る間際何言ったか覚えてないもん。
>今日のご飯
お肉たっぷりミートソースパスタにドラッヘントラウトを乗せたサラダ。デザートにレモンケーキを添えて。
青果店のおばちゃんからレモンを貰ったけど、蜂蜜に漬けるだけとかレモネードにするだけじゃ勿体ないしレモンケーキ作るか！って思いつつ今日は非番じゃなかったのを思い出してとりあえず冷蔵庫に突っ込んどいた。帰ったら夕食の仕込みをして、それから取り掛かるかぁ。早めに帰れたら良いんだけど。日持ちする様に作るから数日に分けて食卓に出すかな。ジークフリートさんが甘酸っぱいの嫌いじゃないと良いな。
どうやら寝そびれてしまったらしい。身体は休息を求めているのに、脳だけが活発で、今日得た知識を整理する為の睡眠という作業に移りたいのにそれを許してくれない。明日の朝後悔するのは自分自身だが……？
隣を見ると健やかな寝息を立てる唯一無二がそこに居て、緩やかに上下する胸板に生きている事を実感してそっと耳を当てて、心音を聞く。
確かに脈打つその拍動に感動を覚えている自分も居て、どうかこの穏やかな時間が永遠であれば、と希って居る。
……そろそろ寝よう。夢の中でも、その姿が見たいと願うのは愚かだろうか。