ジークフリートさんと半日くらいずっとくっついてた。朝早起きして出掛けるのを見送って、それから部屋の掃除とか洗濯とかをして、帰ってくるのを待って、それから、二人きりの時間を堪能して、……そうすると次の日が来るのが嫌になる。物足りなさを覚えて、どうしようもなくなっちまう。 こっそり、本当に出来心だった。
今日もあなたが大好きです。反省文
いつも余裕があるジークフリートさんの、余裕のない顔が見たい、と思っていつもより濃い目に入れたお茶に、無味無臭の媚薬を数滴落とした。
外から帰ってきて、暑さから汗をかいているからと俺が差し出したよく冷えた麦茶の入ったグラスを受け取って、迷うこと無く口を付けるのを祈る様な気持ちで見つめてた。
一口飲んでからこちらを見る瞳を見られなかったのはほんの少しの罪悪感だったけど、いつもと違う俺の挙動と、鋭い味覚に俺の悪巧みはすぐにバレちまった。
掴まれた手首と、流し込まれたぬるい液体。飲み込むまで離されない唇に、酸素が足りなくなって頭の中がゆっくりと熱に蕩けていく。どことなく甘さを感じる液体が舌の上を流れて喉を通って胃の中に落ちていって―――。
無味無臭なんて謳っては居るけれど、完全に薬臭さや味を消せる筈なんてなくて、見事にやり返されて、もう二度とこんな事はしないと誓った夜だった。
この前、髪をいつも切ってくれる美容師さんに「あなたのお耳とっても柔らかいわね」と言われた。軟骨のあたりも確かにふにゃふにゃしてて畳めたりするから確かに柔らかいのかも。ジークフリートさんのも触らせてもらおうっと。
確かにお前の耳は触り心地が良いし、……まあ、食べごたえがあると言えばいいのだろうか?俺のはお前程では無いが触れるのは構わんぞ、その代わりお前の耳にも触らせてもらおうか。
……俺の耳は食べ物じゃないぜ?
真似事で自宅の風呂でジークフリートさんにサービスした結果。R注意
まずは髪を洗って、長いあの髪が絡まないようにしながら頭皮のマッサージ。汚れも落ちるしスッキリするしで時間をかけてやって、それからトリートメント。艶々の髪って触りたくなるしいい匂いがしたらそれだけで男っぷりが上がるよな。俺が見たいから丁寧に洗って、そこからが問題だった。身体を洗うターンが来た。
背中を洗うのは割とよくやってるし、あちこちに残る傷痕はこの人が生きた証なんだと思えて好きなんだけど、背中はいいんだ、背中は。
問題は前。厚い胸板とかくっきりと浮かぶ腹筋とか、逞しい腕とか、長くて程よく筋肉のついた脚とか、それはいいんだけど。な?
自分で洗えるだろ、と言ったのに俺が全部やるとか言っちゃったから逃げ場がなくて、触ったらもうダメだった。
いつもこれが俺ん中に入ってるのかぁ、とか思ったらたまんなくなって、俺が発情しちまったのに気付かれたんだろうなぁ、ジークフリートさんの目が、視線が刺さって(ここから先は筆記が乱れて読み取れない)
昨日、そんな話を友達としていたんだけど、毎日密に連絡を取らなければいけないのかと言う疑問には俺も少し首を傾げちまった、というか。
俺は恋人なら毎日会いたいし話したいしそうじゃなきゃ嫌だ、って思うんだけど、友達ってまた別だと思ってる。毎日毎日連絡しなくても、手が空いた時、話したい話題が出来た時、相談したい時、遊びに誘いたい時、元気かどうか確認したい時、その時に連絡するとかでいいと思うんだよな。もちろん毎日密に話して仲良くするのもいいと思うぜ、スタンスってのは人によりけりだし。俺はランちゃんと毎日顔を合わせてるけどそれは仕事もあるし、まぁ私生活でも割と頻繁に話してる方だとは思うけど。なんて言うのかなぁ、ランちゃんは親友で戦友で、さらに今は上司だからそれはまた特殊な関係だから枠に当てはまんないし。現に長い付き合いの友達なら毎日は連絡してなくて、用がある時に連絡したり、とかでさ。
少し間を空けたら居なくなっていたりして悲しい、って聞いたから俺なりに考えてみた。難しいよなぁ、人間関係って。
飛行術の授業の後に汗だくだー!って騒いで着替えてたら、ヴィルがヒヤッとするタオルみたいなのをオレにくれたから拭いてみたら、拭いた所からすごく冷たく感じてびっくりした。それにいい匂いがする!って喜んでたらひと袋貰っちまった。ヴィルはまだあるからいいのよ、とか言ってたけど後でお返ししないとな。で、貰ったこれ、冷感シート?ペーパー?何の匂いだろ、ってパッケージ見たら百合の匂いみたいでこんな匂いなんだ、ってちょっと感動したのと同時に、ヴィルに百合ってすごく似合うな……って思った。
オレを向日葵だって言うあいつは何が似合うかなぁ……リンドウ、かな。オレも好きな花。後で伝えとこう。