広いベッドの真ん中で寄り添って、窓の外から聞こえる波の音が心地よくて、何だか眠くなってくる。
フェードラッヘでは聞かない音なのに、落ち着く音だな、って感じるのは何でなんだろうな。隣で穏やかな寝息を立ててるジークフリートさんの寝顔を見て、これが見られるのは俺だけなんだよな、って思うとたまらない気持ちになる。
おやすみ、また明日。明日も明後日も、好きです。
今日は二人でゆっくりと眠る日。おやすみなさい、ジークフリートさん。また明日。
未だに旅行から帰ってきてないんだけど、本当に帰るの嫌になるくらいに楽しくてさ。とりあえずランちゃんとパーさんにお土産と、あとパーさんのお兄さんにも買って帰ろうかな。
ジークフリートさんは水着の女の人にモテまくりです。
予備分!
定期船に乗って、まずは滞在する部屋に向かう。スーツケースを押して歩くジークフリートさんと手を繋いで歩いていても、誰も俺たちに注目しない。国を離れたら俺たちを知ってる人なんて一気に少なくなるんだな、って思って繋いだ手に少し力を込めて握ってみる。今回の旅行ではずっと繋いでいたい、なんて可愛いこと言ってて、キュンとした。
荷物を部屋に置いて、船内に併設されているカフェテリアに行ってモーニングを食べる。俺はフレンチトーストとコーヒー、ジークフリートさんはトーストとコーヒーで、俺のフレンチトーストを一口あげたりお返しに貰ったりして軽食のそれをぺろりと軽く食べたんだけど、手の甲にキスするその仕草が本当に騎士様、って感じで一気に照れちまった。俺も騎士だけど!なんか、こう、違うって言うかさ。すごく格好良かった。食べ終わったら人が増えてくる前に部屋に戻る。いくら誰の目も気にしないとは言え公共の場をずっと陣取ってる訳には行かないからな。
部屋に戻ってソファで寛いでたんだけど、人目がないとジークフリートさんがずっとキスしてくれるし抱き締められるしで色んな誘惑を振り切るのが大変だったぜ……。それから少しして、漸く船がアウギュステの空域へと到着したみたいで、部屋の窓からはきらきらと輝く青い海が見えていた。
今回は、変な海産物が暴れたりサメが空を飛んだりしない、よな?