静謐のはざま幾つもの星を、多くの人を、とめどない感情を見てきた。縋るような祈り、どこか諦めた願い。俺にひとつひとつを掬い上げることはできないけど、せめて見届けられたらって。
でも、どれだけの声を聞いても、…聞くほどに、日の当たる部屋の中で過ごす静けさだけは失いたくないと感じる。なあ、約束を交わそう。これは契約じゃないよ。
お前はいつも俺より早くに眠るんだ。夜中、眠そうな姿を眺めながら話しかけると小さく唸る。何度か続けて、震えた空気に溶かした後で俺もまぶたの裏に夢を見る。
いつもはうるさいくらいなのに、絞り出される少し高い声が思わず笑ってしまうほど愛おしい。起きたお前はそんなことはひとつも覚えてないと、首を傾げてぼんやり微笑む。
夜の続きの朝と昼、次の夜のはざま。誰の声がしなくとも、伝わる体温があたたかいから。寂しくなんてない。形にするならきっと、まるくて、少しだけ歪だ。この時間の続きが途切れることがないよう、手を握ってて。
夜は眠れるかい?
Flumpool