俺が本当に、どれだけ会いたかったか全然わかってないくせに。好きと言ういつも通りの変わらない音に、どれほど気持ちを込めたのかも。

でも、俺が使わない浴槽の隣で過ごしてから、水気を取る程度の時間しか経過してない。だから当然なんだけど、今は全部知っていて欲しいなと思った。

俺は変人と思われることは厭わない。気にしているならゴミ箱なんて漁らない、そんな中途半端な覚悟で開拓者をしていない！しかし、そんな俺にも羞恥心は存在する。それも日頃普通に過ごしていれば、そう感じるものではないけど。

じゃあどんな時に羞恥を感じるんだ？そんな話になると思う。それは正に今のような状況の時。あいつがたまに人前で、もちろん暈しながらではあるけどよく、俺としていることについて喜んでくれる。
具体的に言うなら「ウワーーーーー‼️‼️」って感じで。それはひどく愉快で、可愛くて、同時にすごく嬉しいと思いながら眺めてる。同じ気持ちになって欲しいから、同じことを返したくはあるものの…こっち側でだとどうにも。いやそれは関係あるのか？わからない。まあ、要するにこれがどんな時に、の部分。

だから代わりにここで。俺も喜んでるというか、楽しんでるよ。たぶんお前が思ってるよりずっとな。……どうやらここまで大層な前置きをしても、俺はこんな時だけ上品になるらしい。前世は貴族のお嬢様かも。もしこれ以上聞きたかったら直接聞いてくれ。あと今後そういうのも呟こうと前向きに思ってる。終わり。

今日もカルボナーラ食べた
自分ばかり好きみたいだって、「僕が僕だったから興味を持ってくれただけで」なんて落ち込んで見せるあいつには悪いけど、明かされるその胸の内がすごく可愛らしいと思った。真剣に聞いていたから、もちろん今まで秘めてたけどさ。そういうことを言われても愛おしいと思えるなら、負けないくらい俺も好意を向けてるってことだろ。

あいつが喜ぶなら俺のくだらない意地も、秘密も、羞恥も迷わず取り払える。今までそれとなく隠していた事実を告げて、あいつを好きになるまでの経緯と、情けない心境を添えて。そうしたら、俺はいつの間にか寝顔を眺めてたんだ。

たっぷりと寝坊した後になんとか瞼を持ち上げながら、めそめそしてたけど安心してすぐ寝た、嬉しかったなんて言われたらまた、可愛くて堪らなくてさ。しかも寝ぼけたまま空腹を訴えてご飯食べようとしてるのも、本能で生きてて可愛かった。いつもより鈍くて柔らかい唇の動きと、垂れ下がってそのまま塞がりそうな緑をずっと眺めていたいと思うよ。相変わらず俺のことが大好きだね。俺も、お前が大好きだ。

惜しみなく、とめどなく注がれる愛情を返しきれているかは自信がなくなることもある。溶けるほどの時間をすべて俺のために使って、思考も視線も、1ミリの隙間もないほど向けられてる。俺でない誰かにもそうしてきたのかと思うと、少し妬けるけど…。

でも、俺のほうが好きだって気持ちは常にあるし。心配しなくともお前だから好きになってる。昨日しつこいほど耳に押し込んだ以外にも根拠は話せるけど、とにかく明日からも俺の隣で安心しながら、できるだけゆっくり眠りに落ちてくれ。



アディオス
ダズビー