⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は誰のために俺はそれなりに多くの人と関わって生きてる。列車の仲間から、俺を助けてくれる人たち、俺が助けた人たち。生きるために必要な、最低限の関係だけを残したとしても、その数は一桁まで減ることもない。俺が今の俺であるためには、きっとそれ以上に、繋がりというのは必要なんじゃないかと思う。
不幸の後は幸福をより強く感じられるように、苦味が甘さを引き立てるように、夜があるから朝は眩しく見えるように。極端に言えば比較対象があるから、俺もあいつを好きだと気付けた筈で。だから、そういった意味でも他人をすべて切り捨ててしまうのは現実的じゃない。
それでもこの広い銀河の中、ただの2人きりでいられたらって、そう思うんだ。急に何もかもがもぬけの殻になって。文字通り世界に置いてかれた静けさの中で、あいつの微かな呼吸と高い体温、少し速い鼓動、柔らかい声だけを感じていたい。そして、お前にも俺だけを見ていてほしい。絶対に余所見しないって、約束しろよ。
なあ、サンポ。さっき俺は、ずっとっていつまで?って聞こうとしたんだ。でもそれをちゃんと聞かないうちに「そう、ずう〜〜っとね」と言っただろ。これは悪い意味じゃないんだけど、そうしたら、なんだか言葉が胸に詰まって出て来なくなった。
例え何ひとつ信じられなくなっても、薄く広がる爪痕は嘘じゃない。なかったことにできない。お前の腕の中はいつも、泣きたくなるくらい落ち着くよ。
……ああ、結局何が言いたいんだったかな。ただ少しでも今の、この感情を残しておきたくて。これがきっと、俺の余白に溶ける星なんだろう。信じてるからさ、騙したりしないで、このままずっとそばにいてね。
お前のさ、恋と愛なら迷わずに愛を選ぶところがすこし寂しくて、でも、本当に愛おしい。
よるのあと
adieu