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78.花兄、半纏木より
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6 :沖田ミツバ
2024/06/02(日) 14:25
ふいに大勢の視線から逃れて、自分を顧みる時間が欲しくなった。
> 江戸の町は人が多いでしょう。
時間ばかり過ぎていって、故郷を偲ぶ暇もないまま、二年目の夏を迎えようとしています。
そーちゃんの誘いがなければ、私は今も長閑な片田舎で家の留守を預かっていたかもしれない。この身体だもの、寄る辺もなしに遠い土地へ住まいを移すのはそれなりの覚悟が必要だったわ。
けれどどうせなら、と。一度きりの人生ならば、瞼の裏に見る景色を色濃いものにしたい。
それまでの暮らしに決して不満があったわけではないけれど、叶えてみたい夢があったのよ。理想を語る歳でもないと、あまり口にはしなかった。
莫迦お言いでないよと撥ねつけられるかもしれないし、奉公先に迷惑だって掛けてしまう。それでも私が我儘を通せたのは、ひとえに背中を押してくれた人達のおかげです。
目まぐるしい日々に挫けそうになったとき、この冊子を捲って初心を思い起こせたらいい。叶えた夢を手放さないように、頑張らなくちゃ。
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