:: 両極端な世の中 一昨日くらいから前兆はあったんだけど、今日確信した。寒い。もうこれは完全に冬の訪れだ。秋は何処へ行った?秋は?読書スポーツ食べ物睡眠ゲームの秋は?そんな事を考えながら大急ぎでクロゼットの奥に仕舞われたコートを取り出した朝。日の光はしっかり差しているのに暖かいと感じ辛いのが何よりの証拠。冬も嫌いじゃないけどさ。ないけれども。もう少し曖昧な四季を堪能する時間が欲しい。 そういえば先日、中学生の分際でカフェテリアなるものに足を運んできた。大人な雰囲気漂うお洒落な感じが制服という不釣合いな格好を強調させひたすら本を読むフリをして帰って来る事になってしまったのだけど、良い経験になった。大人の階段上った。お姉さん綺麗だったとかいううちの部員の話は聞かない。 連絡が沢山出来る事は本当に嬉しい事。それはお互いが自分の時間を尊重しているからこそ相手との間に与えられた時間が増える事にどうしようもない喜びを感じてしまう。好きだな、としみじみしながら音楽室へ向かう。合唱練習なんてなくなればいいのに。 |
:: 今日は少しだけ 特別な日だから。 帰りはケーキでも買って帰ろう。 |
:: アンバランスな なんとかっていう曲が昔流行ったような気がする。覚えてないけど。そんな事よりどうして寒くならないんだろう。制服の下に流行りのウォームシャツを一枚増やしただけなのに学校に登校するまでに汗を掻きそうになったんだけど。朝練前に脱ごうと思って部室に行ったら千石に「南がババシャツ着てる~!あ、ジジシャツ?」とか言われ爆笑された。千石は最近俺を見るだけで笑っている気がしてならない。早く、もう少しだけ肌寒くなって、そこで季節が止まれば良いと思うけど、止まらず流れるからこその季節な訳であって、もしもそれしか季節が無いのであれば、きっと人はその気候に名前なんて付けなかった筈だ。 アンバランスなのは俺の中の天秤。 そういえば昔ハマってたゲームを再開したら思いの外楽しくて夜通しプレイしてしまった昨日の夜、そのまま寝てしまって充電が無くなって朝起きたら全て無駄になっていた数時間前。同じ事を二度繰り返す事ほど面倒な事は無いんだけどな…やるか。 しなきゃいけない事がある、何をしなければならないのかも分かっているし期限も明確なそれは数学の宿題みたいなもの。まあ音楽で発声練習してこいって言われるよりかは100倍マシだけど。 |
:: 雨上がりに弁当 最近秋という季節に似つかわしくない天候が続いてたけど、どうやらそれもそろそろ終わるらしい。明け方の雨が上がってみれば空はすっかり秋模様。なんとなく涼しさを感じる10月も半ば、冬の訪れを思わせるような木の色を見ながら詩人になった気でいたら千石に爆笑された。爆笑って、沸点低すぎるだろあいつ。なんなんだ。 そういえば部活に持参する弁当のクオリティーが段々下がっている気がしてならないのはどうしたものか。母さん、いくら何でも敷き詰めたキムチの上に白米を乗せて、更にその上に目玉焼きとチャーシューを乗せるだけの弁当は地味というかむしろ逆に派手だと思う。弁当箱の素材も缶だし。 |
:: 10月の扇風機 まさか10月になっても尚扇風機をつける事になるとは思わなかった。空調の整わない部室でカラカラと風流な音を立てて回転する機械は、以前ならとっくの昔に袋を被って倉庫の中だったのに。地球温暖化のせいなのか異常気象なのか。とにかく暑い。おいもう10月も半ばに差し掛かるんだぞ太陽、とこの場から嘆いても打ち返した筈のボールがいつの間にか自分の足元に転がっているだけで何も変わらない。そろそろ秋服を通り越して分厚いコートが必要な季節が来る。白ランに似合うのは無難なダッフルコートなのだろうか。いつかPコートとやらを格好良く着こなしながら女の子にちやほや…されたい訳じゃないからな。 話は変わって。 秋になると懐かしい人との出会いが増える気がする。春に新しい出会い、夏に思い出、冬を別れだと形容するのであれば俺は、秋は再会の季節だと思っている。勝手に。本当に勝手に。そして再会したその人と一緒に昔を振り返って笑って笑って、少しだけ寂しくなる。もう戻ってこない過去を思い起こすのは、決して楽な事じゃないと思い知らされる。現実とどれだけ向き合っているかで、再会したその人を見る目も心も変わってくる。それが自分にとってどんな相手だったとしても。 サツマイモが食べたいな…いや、じゃがバターか。 |
:: ハンカチの女の子 部活の帰りに目の前を歩く小学生くらいの女の子がハンカチを落としたのを気付かないでそのまま歩いていくのが見えた。本来真っ先に食いつきそうな千石がたまたま一緒じゃ無くて、他の部員達が気付く前に何となく足が一歩前に出た。ロリコンではなくて、節操がないわけでもなくて。良心だよ良心。 それで持ち主の女の子に届けようと声を上げたんだ。 「落としましたよ!」 ちょっと王子様みたいだと思わないか?内心「○○将来健太郎お兄ちゃんと結婚する!」なんて言われても困っちゃうな、なんて思いながら振り向いた女の子に笑顔でハンカチを差し出したんだけど。 「お兄ちゃん可愛い!」 なんて声を上げながらその赤いランドセルを背負った女の子は新渡米の頭の葉っぱを指差したんだ!!俺が目の前でハンカチを差し出しているにも関わらず!!これは一体…?そして喜多のぐるぐると室町のサングラスを散々褒めちぎった後、もうお分かりかとは思うが俺と隣に立っていた東方を見て一言。 「あれ、お兄ちゃん達いつ来たの?あ!それ○○のハンカチ!!」 清々しいくらいの大きな反応を見せてくれた女の子、俺、ずっと君の目の前にいたんだけどな… |
:: 欲しいものの名前 先ず真っ先に浮かぶのが時間。それから布団、さり気無く目に留まるような個性、そしてあの子。写真集も欲しいな、誰のかは教えないぞ。 時間は誰だって多く欲するものだと俺は思ってる。テニスの練習だって、上を目指すのであればそうである程自分を高める時間が必要になるし、逆にテニスばかりに時間を使う事が多いからそれ以外の時間は必然的に少なくなっていく訳で。一日の終わりにベッドに横たわりながらあと数時間多くあるだけでもっと、出来る事があるんじゃないかと思ってしまう。でももし、一日が30時間あったら、体力はもっと必要だし、嫌な事があった日は24時間が恋しくなるかもしれない。 それよりも、或いは。30時間に慣れた頃には35時間、時間が欲しいと思う可能性もある。 布団は勿論、凄く素材の良いヤツに限る。良いよな、氷帝の跡部は最高級の布団に毎晩包まって寝てるんだろうな…いやいや俺があそこまで派手でいる必要はない。俺はただちょっとやわらかい布団の肌触りに満足したいだけなんだ。 さり気無い個性は大事だろ、大体俺にも個性があると思わないか?え?地味なところ?地味は個性か?そうなのか?それなら良いか…にはならないだろ。全然ならない全く。 あの子が欲しい、なんて。柄にも無く考えあぐねている。とっくに手に入れたと思っていたから、この差の埋め方が分からない。果たして離れていっているのはあの子か、俺か。時間の続く限り共に在りたいと先に願ったのは俺の筈で、あの子を傷付けまいと笑ったのも俺で。それでもこの距離に疑問を感じたのも、俺。相手の考える事が分からないからこそ相手の為になれるなんて格好良い恋愛が出来たら俺はきっと今頃地味だなんて呼ばれてないと思わずにはいられない。 あの子も人なら、俺も人。 あー…こう、もっとデカい事がしたい。 |
:: 何の秋になるか おはよう御座います南です。 甲子園じゃなくて全国大会に連れて行って欲しいところなのですが、どうやら夏は去って秋に季節は移り変わった、とか。秋といえば俺達の季節だろ?土色の世界に涼しい風、主張控えめな色達はまるで俺達のようだと思わないか?そのセピアな世界に埋もれつつ茶色いブックカバーで覆われた日本文学とか読む俺、…ちょっと渋くて格好良い。 …え?紅葉?色とりどり?派手? スポーツ大会?文化祭? う、うるさいこっち見て地味って言うなよ!気取るくらいしてもいいだろ! まあ実際どんな秋になるか決めるのは自分な訳だし、自分が最大限楽しめる秋こそ見つけるべき秋って事で。 関係無い悩みを呟くと小学生並みの時間に寝る癖をどうにかしたい。そして夜中に目が覚める。 |