日記一覧
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Aさんと一緒
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96 :
柳蓮二
2025/01/10(金) 10:03:25
件のあみだくじ大会でペアが決まり、実際に話し始める事になった。
一番手は俺と佐伯だ。相手が居る者同士なのでお互いの惚気をお互いで消化するエコタイムになる訳なんだが、完全初出の情報が飛び出してきて早速狼狽えている。
「これを書きました」と唐突に日記を差し出すのは実は初めてではない。これを無事渡す事が出来たら三度目、という事になる。
一度目は所在を知らせる為のもので二度目はサプライズで用意したものなんだが、当時Aはそのサプライズをいたく喜んでくれていた。
……のは感じていたんだが、なんとお返しにと別の場所で少しずつ言葉を綴ってくれていたらしい。
しかしその日記が俺の手に届く事はなかった。というのも、ある日突然、場所ごと消えてしまったそうで。何ヶ月も掛けて書いていたから当時はショックで言えなかった、とさらりと打ち明けられたのだが、俺も今かなりの衝撃を受けている。噯にも出さないとはまさに。本当に、そんな事があったとは露程も思わなかった。言葉を選ばずに言えばAは日記無精なので、そんな彼らが俺達の為に…?忙しい中、必死で時間を捻り出してくれていたんだろうに…、とときめきやら何やら色々な感情が一気に飛来して言葉にするのが難しい。兎に角一大事だ。
俺達の為に紡いでくれた言葉が跡形も無く溶けてしまったのは惜しいけれど、その存在だけでも知る事が出来て良かった。同じ熱量で言葉を返したいという気持ちが嬉しいし、Aの心にそれだけの衝動を起こせた事も俺達の誉だ。
消えてはしまったけれど、そこにあった筈の想いは確かに受け取った。だから、これで少しでも無念の傷が癒える事を願うよ。もしくはようやく癒えたからこそ話してみる気になったのかな。…今振り返ってみたら此方からのサプライズがちょうど10年前の今頃だった。10年前か。すごいな。
…こういう事があるので、分身交流会もやめられない。
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