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日記一覧
濁流に溺れる
 ┗14

14 :柳沢慎也
2014/03/05(水) 23:20:00

柳沢の手は冷たい。
そういうなら構わなければいいだーね、と返してもヤダの一言で俺の手はもまれ続ける。何が楽しいのかわからねえけど、指のひとつひとつから爪の先まで触られ揉まれて淳の熱が刷り込まれる。観月から貰ったというラベンダーのハンドクリームが淳の手で労わる様に塗りこまれていく。

爪横のささくれがちょっといたい。
ささやかな呟きを気にしてくれたらしい。

ベッドに寝そべって、両手は淳に差し出して、枕に顔を埋める俺の頭は霞がカかって眠いだーね。うつらうつら、淳の鼻歌を片隅に聴いていたら何時の間にか寝ていた。気付いたら暗い。近くに投げ出していた携帯をみれば既に消灯時間は過ぎている。淳は、もう寝ているようだ。俺はしっかりと布団を被っていた。しっとりと潤う指先はなんだかまだ温かい気がする。ささくれが有った場所を撫でても引っかからない。

くすぐったいほど、心がぽかぽかする。

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