日記一覧
┗
濁流に溺れる
┗16
16 :
柳沢慎也
2014/03/07(金) 00:24:46
淳が浮かない顔をしていた。
ぽつりと漏らした言葉に寄ると、兄弟に恋人が出来たかも知れないらしいだーね。
素直に喜んであげたいのに、複雑なんだそうだ。ずっと一緒に育ってきて色んなことが一緒だったのに、隣に居るのが当たり前だったのに、気付けば隣に知らない奴が並んでてその人に微笑みかけて、自分を見ていないって事が嫌だ、なんて今更思った事がショックだった、と。
自分から、別の道を選んだのにね。
淳は笑ってた。クスクス笑ってた。おかしいや、と笑う淳は笑いながら泣いていた。じくじく胸辺りが痛むだーね。
さらさらの髪を掻き混ぜて、胸の中に抱きかかえた。淳は抵抗しなかったから、そのまま抱き締めた。
暫くして、顔洗ってくるよと目を赤くした淳がありがとう、と言って出て行った。
胸がじくじく、痛い。
俺は笑えて送ってやれただーね?
[
削除][
編集]
[
戻る][
設定][
Admin]