日記一覧
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濁流に溺れる
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17 :
柳沢慎也
2014/03/07(金) 01:26:52
こっそり寮を抜け出したつもりが、観月に捕まっただーね。どこに行くんですか、こんな時間に。ちょっとそこまで、なんて言葉を濁した俺に鼻で笑って観月は僕も行きましょう、と静かに言った。
目的なんて無かった。眠れなかっただけだーね。行く場所もなく、なんとなく足が向く儘に着いたのは近くの小さな公園だった。自販機の明かりばかりが眩しい。小銭くらい持ってきたでしょう、そう言って仕方有りません、紅茶でいいですよ、なんて俺の小遣いを減らしに掛かって来た。
後が煩いから仕方なく温かい紅茶を観月に、珈琲を自分用に買ってベンチに座った。観月も隣に。
言葉が出てこなくて、暫くそのまま。
あっと言う間に珈琲は無くなった。空き缶を手の中で転がしていると視月が立って、帰りますよ、と飲み終えた缶をゴミ箱へ。俺も習って行きと違い観月のあとについて帰った。
おやすみなさい。
観月は一言残して自室に。俺も淳の寝ている部屋へ大人しく帰った。話という話もしてないのに、少し胸の内が軽くなって眠気を覚えた。・・・観月のお陰だーね、きっと。
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