俺の苦手な季節がやってきた。夏だ。
気温は30度を超えている。クーラーと扇風機を一緒に使ってなんとか生き延びる事が出来る…暑ィ。
今日はオフだから、でろんと伸びながらせっせと仕事をしている月島を眺めている。パソコンと睨めっこをしている横で俺は、調べ物をしたり、ぼんやりテレビを見たり、少し構って貰ったり。
最近とても忙しそうな月島に、何もしてやれねぇけど。そばに居てちょっとでも何かが和らげば良いなって思ったりする。大した事できねーけど。
この間、バタバタしてんのに月島がプランを考えてくれて、デートをしてきた。すげぇ楽しかったし、暑いのを気遣って貰ったりして優しさとか…他にも色々貰ったから、そのお返し。借りっぱなしはイーブンじゃねぇからな。上手く出来ねぇけど、ちょっとずつでも、しんどそうなコイツを甘やかしてやりたい。
まだまだ、これからが夏本番。
あぁ、また暑い中ビール飲みてぇな。冷蔵庫からビールは切らさないようにしておかねーと。ベランダで少し日が落ちた頃、缶ビール飲みながら涼んだりすんのも悪くねぇ。夜風に当たりながらぼーっと他愛も無い話するのも良いかもな。何にしてもビール必須。それで七輪でなんか焼いて食えたら最高。……流石にベランダじゃダメか。
今年は月島と過ごす初めての夏。クーラーつければひっついて寝られるし、冷たいビールは美味いし……もしかしたら、ニガテ克服できるかもしんねーな。
ちょっと特別な今日、月島より先に帰る道中だけど、帰ったら寝そうだから書いておく。
笑いながら飲んで食って過ごした記念日はあっという間に過ぎた。楽しかった。幸せだったし、すげぇ大事な時間だったし、揃いのモンも増えて嬉しい。色々、考えてくれてたのもすげー嬉しかった。
改めて思う。あー、コイツと一緒に居て良かった、と。月島みてぇに賢く無いから、上手く言えねーけど。そう思った。
来月はまた一緒に出掛ける予定がある。その頃は今より暑そうだな。暑がりな俺と寒がりな月島。あ、これも逆なところだ。まぁそれは良い、ひっついてりゃ問題ないからクーラーはつける。
少し寝不足の頭で、楽しかった非日常を思い返す。寂しいような、名残惜しいような気持ちもまた、家に帰れば変わる。おはようとおやすみはいつだって一緒だ。
これからも宜しく。また来月もたくさん笑おうぜ。
月島と過ごす日常で分かったことがある。
例えば朝が弱い月島と夜が弱い俺。
長風呂派の月島とすぐ逆上せる俺。
服が好きな月島と興味ねぇ俺。
話をしていると、コイツと真逆だと思う事が少ないわけじゃねぇし、元から水と油みてぇな俺たちだから当たり前だと思う。
それよりも意外だったのは、似ていることもたくさんある事だ。食の好みとか、音楽とか。行きたい場所とかよく被る。似ていたら嬉しくなるし、真逆だとそりゃそうかと思う。元からさかさまな俺たちだからこそ、「そりゃそうか」と何でもない事のように思うのかもしれない。
性格の不一致だとか考え方のちがいが理由でダメになっちまうのは、元からおなじだと期待してるからじゃねぇんだろうか。
元から違うって分かってると、いろんなことが気にならねーし、それも含めて相手が好きになる。ちがう、が新鮮に思える。
月島がどう思ってんのか知らねぇけど。俺はおなじ、もちがう、も含めて月島が好きだ。月島だから、ちがいも好きになるのか?そのあたりはちょっとまだ分からない。
こんな偉そうなこと言っておいて、一緒にビール飲んでると、コイツがビール好きで良かった、とか思う。ゲンキンなもんだ。
まぁ、好きだから良いんじゃねーの。
影山はずるい。以前にも増して、素直に自分の気持ちを吐き出すようになった。僕が居なきゃ無理。少しでも離れたくない。そんな言葉をサラリと、真剣に言ってくるモンだから困った。別にそんなつもり更々無いケド、こうもハッキリ言われると身動きが取れなくてなってしまう。ちっとも重いと思わない僕は相当コイツに惚れてるんだろう、と自覚する。
最近オフの日が被ると1日中だらだらとして過ごす事が多い。最近はお互い忙しい日々を過ごしているから、身体や心を休める為にもべったりくっついて休みの時間を過ごしてる。……幸せな時間だ。また影山の好きなところを見つけたり、更に好きになったりする。
影山の寝顔を見ていると、僕も眠くなってきた…。ホントは色々と書きたい事もあるけど今日はここまでにしようかな。……寝る前の、眠気と闘ってる影山はとてつもなく可愛い。
…………って言うとこまで書いたのに、寝落ちした。
家に一人で居るのはあんまり好きじゃ無い。別にする事が無いわけじゃねぇし、何ならいくらでもあるのに、やろうとしても気が向かない。風呂から上がってぼんやりテレビを観て、チラチラ玄関を眺めたり。今日から数日間帰りが遅いらしい月島を待つのは少し寂しい。
今日めでたく…ん?めでたいのかわかんねぇけど記念日を迎えて、今月は色々あったと思い返す。年号が変わったり、大型連休があったけど俺ら的にはあまり無かったり、遠出の計画を立てたり。思いがけず決まった出来事も、お互いなるようになるだろと思うのは俺らの過ごしてきた時間とか関係性から来るモンなんだろうな、とこっそり嬉しくなったりしていた。重ねた時間は短くても、その密度は濃く感じる。それだからなのか、ちょっと会えないだけでも物足りなく思える。ソファに寝転ぶデンキネズミを撫でながら同じ黄色のイメージが強い月島を思い浮かべてまた寂しくなったり。
そろそろ帰ってくるかも、と思うから聴いていた音楽を止めて玄関のドアが開く音に集中する事にする。疲れてるだろうからよしよしっとしてやろう。
よしよしぐらいじゃ礼にもなんねーけど。……つか、礼だからよしよしするわけじゃねぇけど。よしよしで癒されるかもわかんねぇけどな。よしよし言いすぎてなんかよく分かんなくなってくんな……とにかく。何時もありがとうな、月島。