影山が遠征で居ない日以外は、必ず一緒に眠る。一緒にベッドに入って他愛無い話をしながら温もりを楽しんでいると、影山は寝落ちる事が多い。寝落ちた翌朝はゴメンって言ってくれるケド、僕はそもそも怒るつもりも呆れるつもりも全く無いんだよね。何故なら、僕の腕の中が影山にとって安心して眠れる場所だって事を理解してるから。
ハードな練習に加えて事務仕事も熟して、疲れない筈が無い。疲れが原因の寝落ちも勿論あるだろうケド、僕と一緒にベッドに入る事で影山がゆっくり眠れるならそれで良い。それに、影山の寝顔を眺められる貴重な時間だからね。悪くない。
明日は影山と焼肉デート。午前中は買い物に出るらしいから、その間に家で出来る仕事を片付けたいところ。午後から影山が帰って来たら影山を構うので手一杯になるし。一緒に飲むのも久し振りだから楽しみだな。
留守番二日目。
朝見送る時に、月島の匂いがするモンが欲しいって言ったら何時も巻いてるマフラーを俺に巻いてから出掛けて行った。家の中なのにマフラーする違和感より、あいつの匂いに包まれてる安堵感の方が大きくて暫く寝巻きにマフラー姿で過ごした。首元もこころもあったけぇ。
月島が帰ってきてからは、俺に沢山構ってくれて、時間が惜しいって言ってくれるのが嬉しい。月島と過ごす時間は本当にあっという間だから、惜しい気持ちは俺にも分かる。ベッドの中で引っ付きながら寝たくないって愚図る月島は可愛い。何でこんな可愛いんだこいつ?謎だ。謎に可愛い、好きだ。でも5時間と言わず眠ィ時はしっかり眠らないとダメだぞ?
明日は焼肉デートしに行く。腹減った。早く明日になんねぇかな……いやでも、ベッドでいちゃつく時間も大切だから、ゆっくり過ぎて欲しい、っつー……じれんま?わがまま?どっちにしても一緒に居られるんなら良いんだけどな。
今日は朝から出突っ張りで帰りも遅かった。でも、凄く嬉しい事があって…ベッドの中で影山と言葉を交わしながら、シアワセな気分に浸ってる。
影山も僕と同じ事を考えてくれていた。其々で抱えてたその想いが繋がった事が嬉しくて、今日は一段と幸福に満たされながら眠りに就けそう。……愛してるよ。
月島が、忙しい仕事の合間に今日の試合を観に来てくれていたらしい。嬉しい。なんとなく、観てくれてる気はしていたから調子も良かった。可愛いよりもカッコイイが嬉しいから、今日はカッコイイ俺を見せられたと思う。トスとサーブを褒められた。サーブはコントロールがまだまだ不安定だから強化する。月島に見られてると思うと背筋が伸びる。
帰ってからは1人、家でのんびり過ごしている。暇だ。月島が居ない部屋は広いし、静かだしつまらない。少しだけ昼寝をして、夜飯を食って今。帰りを待つのは嫌いじゃねぇけど、やっぱり物足りない。早く帰ってこねぇかな。
もうすぐバレンタインだと月島にチョコを強請られたから、少しだけ作り方を検索した。固めるだけなら板チョコで良いだろって思ったから、それじゃねぇやつ。洒落たモンは作れねぇけど…いつもメシ作ってくれるお返しが出来たら良い。
あと1時間は帰ってこねぇだろうな…早く帰って来いよ。
今日は影山が話題のコンビニスイーツを買って来てくれた。仕事中に態々連絡をくれて、今日コレ買って帰るから。って。バレンタインを目前にして世間では甘い誘惑が溢れてるケド、高いチョコレートや有名なパティシエが手掛けたドルチェなんかより、影山が僕の為を想って買って来てくれたコンビニスイーツの方が余程価値がある。比較なんて出来無いくらい。……小さな袋を提げながら僕に見せるドヤ顔が愛おし過ぎて、頭沸くかと思ったよ。
その代わりとも言えないケド、今日は僕の方が早く帰宅したから晩御飯を作って待ってた。今まで料理なんてちゃんとした事無いし未だ簡単なモノしか作れないケド、僕の料理を頬張って食べる影山が可愛くて仕方無い。身体が資本なんだし、粗末なモノを食べさせる訳にはいかないな…なんて考えた僕は、明日出掛けた序でに料理本を買って帰る事に決めた。取り敢えずの目標としては、ポークカレーを上手に作れるようになる事。温玉は影山の担当。…………言っておくケド、嫁になる気は更々無いからね。
月島は甘いものが好きだ。
デザートは別腹ってやつなのか、飯食った後でも美味そうにペロリとたべる。甘過ぎる食い物は苦手な俺でも、美味そうに食うのを見てると一口欲しくなったりする。月島から貰う一口は、なんだか美味い。
少し前に、揃いのマグカップを買った。並んで置いてあると、嬉しくてそわそわしちまう。コーヒーと甘いものが並ぶテーブルに向き合って座ると、1日の疲れが和らぐ気がする。何気ない会話とか、月島が嬉しそうにしてる顔とか、くれる言葉も包む空気も、甘い。
甘いものが好きなのは俺もか。
--white
14.mi tesoro.
--black
10.知らない感情、
朝、起きると月島が居る。
月島の寝顔を見ている時間は飽きなくて、つい時間を忘れて見入る事がある。起きたら起こす事を約束したのは付き合いだしてわりと始めの方で、ゆさゆさ揺らして起こしたりキスで起こされたりする。幸せだ。 一緒に飯を食うのも風呂に入るのも、寝るときまで時間が許せば一緒に居てくれる。あの頃より素直になった俺たちは、あの頃よりも言葉を欲しがるし伝えないと不安になる。嫌でも毎日顔を合わせていた日常はオトナになったら当たり前の事じゃねぇ、と痛感する日もあった。それでも、オトナになったから俺たちは付き合ってるんだろうな…とも思う。なんとなく。
月島が不安定な俺の足元を照らしてくれている。こいつが居なくなったら俺は、もうまともに歩けやしない。
日記を強請ったらこんなに洒落た日記帳が枕元に置いてあった。嬉しい。直接言ったけど此処でも言っておく、惚れ直した。思う存分惚気てやるから、覚悟しておけよ。今日も好きだ、月島。
偶然なのか、必然なのか。それは誰にも分からないケド、影山と再会してからコイビトという関係に発展するのに時間は掛からなかった。
高校時代は毎日が嫌味と喧嘩の応酬。それぞれの道に進んだ僕たちは毎日喧嘩をすることは無くなった反面、姿が見えない事に寂しさを覚えるようにもなった。テレビや雑誌で影山の姿を見かける度に胸が苦しくなった。…再会してから急速に影山にのめり込んだのは、積もり積もって大きくなった恋しいという気持ちが一気に爆発したのかもね。
それからは貪欲に影山を求めて止まない僕になってしまった。膨大な空白の時間を埋めるように影山に触れたいという気持ちが抑えられなくなって、僅かな時間でも一緒に過ごしたい。影山の事が愛おしくて堪らない。光が照らす周囲にある影というものは、存在があるからこそ出来るもの。彼の影は、僕が独りじゃないと証明してくれている。
影山が日記を強請った理由は僕も同じ。これまで影山に伝えきれなかった気持ちを吐き出せる場所が出来て、素直に嬉しいと思う。今直ぐに全ての気持ちを伝える事は難しいケド、これからゆっくり時間を掛けて伝えていくから……君は良い子で僕に愛されること。分かった?
月島蛍 * 影山飛雄
年齢操作 + 注意事項 + 本棚 >>4
R20 / BL / CP日記帳 / 惚気
完半混合 / 閲覧自己責任