今日はおれの誕生日!それにおれの背番号と同じ10ページ目! せっかくの記念なんだし何か残しておきたいって思って粘りに粘ってめちゃくちゃ説得して月島の日記の1ページを貰うことに成功。 最初は字が汚いだのチラシの裏にでも書いてろだの言われたけど何だかんだで許してくれたから多分最初から何かしら書いて欲しいって思ってたんじゃねぇかな(だって嫌な時は説得する隙も与えてくんねーもん) アイツが日記を書き始めてそれをおれに見せてくれた時は正直驚いたし何かのドッキリかなって思った。何時もならそういうの隠したがるし思ってることもあんま口にしねぇ方だし。 でもだからこそアイツが普段なに考えてんのか気になってちょくちょく覗くようになった。 あんまり日記を書く頻度は多くねーけど書いてあることが殆どおれのことばっかりで…何かちょっと愛感じちゃったりして………へへ、なんつってなんつって!! クソー!何か恥ずかしいな!おれあんまり思ってること文にするの得意じゃねーからまとまらないし終わり方も分かんねーし、めちゃくちゃムズムズするし! えっと、最後にひとこと! 誕生日プレゼントとか特別なものはいらないんで来年の誕生日も一緒に居てください!ンでおれの事だけ好きでいてください! …あっ!やっぱりプレゼントなしはなし!ブロック練付き合って! PS.二十四節気(読めない)ってナンデスカ -7頁- |
夏至。一年の内で一番昼が長い日。今年は1日ズレたけれど君の日ってイメージが強いから二十四節気の中でもよく覚えてる。 名前と言い生まれた日と言い君は本当に太陽に縁がある男だなって思う。明るくて温かくて一緒にいるのは心地いい。 バレーが絡むと温かいどころか熱くなってギラギラするところも君らしいかもね(暑苦しすぎて鬱陶しいけど)。 まぁ前置きはこのくらいにして。日向、誕生日おめでとう。君は友人が多いし祝ってくれる人は数え切れない程いるだろうに大切な1日を僕と過ごすことを選んでくれてありがとう。サプライズとかそういうのは苦手だから特別なお祝いなんて出来ないけど、少しでも僕とお祝い出来て良かったって思ってもらえる1日に出来たらいいな。 まだ終わってないのにこんな事言うのもアレだけどまた来年も一緒に祝えたらいいな、なんて。 -6頁- |
(社会人) 他の人達の幸せそうな姿を見てると自分達の昔の事を思い出して甘酸っぱい気持ちになったり懐かしい気持ちになったりするんだよね。だから此処で日記を綴っている人達のそれをこっそり覗かせていただき幸せをお裾分けをしてもらってる訳だけど、これってもしかしてストーカー…?否、あくまでも幸せをお裾分けしてもらってるだけであって決してストーカーではない…ハズ。 此処に日記帳をこさえる前にも何冊か用意したことはあるけど全てのページを埋めきる事が出来たのは1冊だけ。もうずっと前の話だしスペースの関係上処分されちゃったから見ることは出来ないけれど、楽しかった事も悲しかった事も沢山綴っていた事は覚えてる。 また完走できたら良いなって思いながらこうしてまたペンを持っている訳だけど、今度は楽しかった事や嬉しかったことを沢山綴っていけたらいいな。 あとは筆無精な恋人がほんの少しでもこの日記帳に想いを残してくれればそれで幸せ。 -5頁- |
(社会人) ちょっと冗談じゃないんだけど。両手に大量の荷物を持って帰ってきたと思ったら金魚買ってきた!って… …はぁ?ちょっと何考えんのか全く以て理解不能。冗談は身長だけにして欲しいんですけど。 帰り道にあるペットショップで金魚市っていうのが開催されてたみたいで、ちょっと覗いて帰ろうと思ってたのに気付いたら金魚とスターターキット持ってたって…君みたいな阿呆丸出しで如何にもカモになりそうな客が特設会場にのこのこと近寄ってきたらそりゃあ店員は張り切ってプレゼンするでしょうよ。パンダみたいな模様だとか口紅を引いたみたいな模様だとかさも珍しい事みたいに言っておいて最後に今買わないと二度と出会えないかもなんて落とし文句でも付け加えればイチコロ。君みたいに純粋で頭の悪い客は簡単に落ちて一生懸命汗水垂らして働いたお金を簡単に落としていってくれるんだろうね。言っておくけどそれ完全に店員の思う壷だから。 はぁ…なんか張り切って石ころ洗い始めたし水道水のカルキ抜きまでやりだしたしこうなったら僕が折れるしかないんだろうな… (金魚の世話をするくらいならまずは自分の脱ぎ散らかした服くらいちゃんと集められるようになってからにしてよね) -4頁- |
昨日は彼とごっこ遊びをした。もちろん子供がやるようなお父さんごっことかお母さんごっことかそういうのじゃない。最初は馬鹿にしてたけど話を聞いてみたら意外と設定が練ってあって面白そうだから付き合ってあげた。 彼は人よりも想像力が豊からしい。それを文字に書き起こすことさえ出来たなら物珍しい小説にでもなるんだろうけど残念ながら彼には文才なんてものは欠片どころか微塵もない。折角のアイデアも擬音たっぷりの意味不明な説明でしか表現出来ないから、それは僕の鼓膜や好奇心を僅かに揺らすだけで形にならずに消えてしまう。だからごっこ遊び止まり。 そのごっこ遊びにしばらく付き合っているうちに気が付いたのは彼は小説家より役者の方が向いているのかもしれないということ。物語の中には沢山のキャラクターが登場するんだけど彼はその演じ分けが上手い。勿論家でやるような簡単なごっこ遊びだから道具や衣装がある訳じゃない。それを彼は声一つで演じ分ける事が出来る。バレー馬鹿だしそれ以外の事に才能を開花させることは無いんだろうけど、もしも演技の道に進んでいたならきっと沢山の人々を魅力していたんだろうな。 大衆の面前に晒すつもりなんて更々無いんだけど。 今日はどんな話で楽しませてくれるのかな。 -3頁- |
(大学生) 彼は午前中講義があるからって朝から家を出て行ったけど今日の僕は完全オフ。大学の講義もなければバイトの予定もない。こういう時にしか寝坊って出来ないし少しだけ贅沢をした気分。前日は寝不足で体が怠くて仕方がなかったからゆっくり出来て良かった。 でもこういう時に限って何をして過ごそうか迷うんだよね。好きな海外ドラマの新シーズンが入ったみたいだから一気見するのもいいし、続きが気になる所で止まってる小説を読むのも捨てがたい。新しいアルバムを買ったばかりだからそれを聴くのもいいし最近やりだしたクロスワードを進めるのもいいよね。少し考えただけでこれだけの選択肢があるんだからもっと真剣にやりたいことを書き出したらそれだけで1日が終わるかも知れない。 こんな事をしている内にも刻一刻と貴重な時間は無くなっていく訳で。早く一番やりたいことを考えないと。…万が一彼に尋ねたらこんな事で悩むなんてバカだなって笑われるんだろうな。 -2頁- |
欲しいと思って衝動的に手に入れてもいざ手に入ると結局手を付けないものってない?…そう、僕にとってこの日記帳が正にソレ。代わり映えのない日常に何か変化をもたらしてくれるかもしれないと僅かな期待を込めて準備したのは良いけれど、よく考えたら僕にはこんなもの書いてる時間なんて無かった。だって鬱陶しくて賑やかすぎる恋人が何時も側にいるから。 甘えん坊で口付けが大好きな、可愛い可愛い僕の恋人。準備する前から分かり切っていた事だけど、多分この日記帳の大半が彼の事で埋まってしまうんだろうな。代わり映えが無くたって彼が側に居るだけで毎日が特別だと思う…なんて言ったら調子に乗るのは目に見えてるから絶対に言ってやらないんだけど。 -1頁- |
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