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┗120.郷 愁(189-193/212)

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189 :アニ・レオンハート
2014/09/05(金) 18:05


天と地


馬鹿みたいに広い草原の真ん中で、仰向けになって転がってるんだ。何もかも自由だって、頬打つ風の気持ち良さを噛み締めながら思うのに全身は金縛りに遇ったみたいに動きやしない。人は自由を求めるけど、本当の自由を手に入れると何故動く気力が失せるのかな。…本当、困るよ。自分が束縛と規制の中でしか生きられない人間だなんて、気付きたくなかった。


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190 :リヴァイ
2014/09/06(土) 02:40


回路を辿り

何人の屍を踏み越えて来たか。何人の血反吐を嗤って来たか。もう思い出す必要も無く夜毎脳裏を掠める、とんだ代価を払わされたモンだ。俺は恐らく狂ってるんだろう。でなけりゃ今此処に立っちゃ居ない、立てる訳も無い。俺は朝コーヒーを飲み、腐り始めのパンを齧った。昼にはハンジの語る巨人考察を傍らに紅茶を啜りながら粗末なスープを胃に流し込んだ。夜は朝と同じパンを齧ったが、贅沢にも舌が受け付けず新兵に投げた。俺は食い物を腹の足しになる程度ながら食し、そして寝る前に此れを綴って居る。全く良い身分だ。目の前で誰が血に塗れようと、魘されようと俺は生きる事に貪欲だった。御託はもう充分だ。


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191 :ライナー・ブラウン
2014/09/06(土) 03:14


融解

お前は世界が余りに汚えから此の泥溜まりに融けたいと溢した。俺も一緒に連れて行けと腕を掴んでから振り返ったお前の驚いた様な顔を見て、其れは俺がすべき事なのか自問した。俺は共に融けるのでは無く、濁った水を飲み干すべきだったのだと。俺には其の選択は出来なかった。お前の嘆きを飲み下し、先を見据えて今この場でお前を独りにするより、お前と朽ちる事を選んだ。お前が居なけりゃ駄目だった。俺はこんなに弱かったか。


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192 :ミカサ・アッカーマン
2014/09/06(土) 15:35


口無し

夢に現れた男は無言で私を寝具に招き、そして少し距離を空けて寝転んだ。此の空間は私の為に在るとでも言うように、警戒心など必要無いのだとでも言うように背を向けた。ので、私は隣に身を委ねた。不思議と恐ろしさは無かった。…ああ、漸く隣に居る事を赦されたのだと安堵さえした。それから程無くして寝入る間際に、男は寝返りを打った。私は眠くて、とても、眠くて。その事に敏感にはなれず、気付けば私は男の腕の中に居た。……温かかった。言葉を発しない男を何処かで恐ろしく思って居た自分にその時、気付いた。刹那的な感覚だった。若しかしたら錯覚なのかもしれないけれど恐さが消えて行ったのが、私にも分かった。寝て起きたら男は荷物を纏めて居た。やっぱり、何も言わず。――ただ、何故か男は冷たかった。私の眼を見ようともしない。……私は、とても寂しかった。寂しくて哀しくて、自分の存在を消してしまいたかった。慌てて荷物を纏めると荷馬車に乗り込む際、男が言った。顔も向けずに、淡々と。

「         」…ああ、やっぱり昨晩の私は間違えては居なかった。この男はとても不器用だ。そして、とても優しい。難儀過ぎる程に不器用で、自分がどれだけの葛藤の中で息をして居るか。其の事実に、自分ですら気付いて居ない。可哀相で、愛しくて、放って置けない。だから付いて行こう、この男に。私はもう何も恐くない。私の夢の記憶はこれでお終い。


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193 :ライナー・ブラウン
2014/09/08(月) 15:33


石人形

我ながら呆れる程の訥弁だ。頭の中で幾つもの感情が渦巻いている、だからこうしてペンを握ろう。――独占欲とは何か。親愛とは何か。恐らく独占欲ってのは人が生きて行く中で何処かで必ず無理が出る、反抗的な圧力なんだろう。人を完全に支配する事は本来無理な話だ。独占する事も健全な生活を送ろうと思えば無理でしかない。だから言葉で支配された心地に浸り、まるで自分が目の前の人間の全てを手に入れたのだと錯覚する事で満たしている。なら親愛とは何か、支配欲と独占欲を満たそうと思えば親愛の文字は後付けに過ぎん。自己満足では自己愛にしかならんのだろう。だがこの自己愛を貫きながらにして愛と謳うのがシ/ェイク/スピ/アのお得意な所か。あれの持つエゴイズムは理想だ。ああなりたいとは思わんが。


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