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180.リチャード
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526 :K-66
06/24(金) 12:42

これは、何年か前の夏の話である。

いつもの様に仕事へ出かけようと朝部屋をでた。
2階であるが、階段までにもう一部屋あるのだ。

昨日の晩にゴミを捨てに行ったのだが、階段を降りるまでに通る部屋から、生ゴミの臭いがした。

今朝も生ゴミの臭いがするが、さては昨晩出し忘れたのだろうか。

仕事に行きながら、帰っても臭うならいいつけてやろうと思ったけど、その時ある事を思いだす。

以前に姉と二人で部屋を借り住んでた時、姉が部屋のドアの前にゴミを置き忘れ、姉の留守に一人で家に居る時、隣の住民が怒鳴りこんできた。

常識的に考えると、共用部にゴミを置くのはルール違反、しかし置いた事実を知らずに怒鳴られるのも気分は悪く、こっちも逆ギレ気味に対応したのを覚えている。

多分、今日はゴミの日ではないので、隣に怒鳴り込むのではなく、丁寧に説明して対処して貰わないと、自分同様逆ギレする想定も考えておかないとやっかいである。

やれやれ。

仕事が終わり、部屋に帰ろうとしていると、一人の男が話かけてきた。

「ご主人」



「ご主人」?

たしかに借りてる部屋の主人ではあるが、この男の「ご主人」はニュアンスが違う。

少しムッとして、その男に言ってやった。

「なんですか?」

男はまるで、テレビドラマでしか聞いた事のないセリフを言いはじめた。

「昨日の晩………」

俺の頭の中で全てをすぐ理解した。

生ゴミには違いないが、俺がインターフォンを押してどうにかなるシロモノではなかったって事である。

その臭いは完全に頭にメモリーされ、一週間は鼻から離れる事はなかった。

(sb/942SH)
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