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485.《FREEDOM-千夜一夜-》
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37 :イエロー
10/20(日) 17:38
第21夜<范帝国の一件㉑>
ー王宮内ー
皇(すめらぎ)の間
范帝国の皇帝
「戦況はどうなっておる?」
范帝国のただ1人の皇帝の名は
沁 畄(りゅう)セイ
王宮の軍師
「は!王宮広場にて賊が侵入しており兵は壊滅状態との事です。そして龍の間の広間にて第1皇子龍エン様と賊の大将が戦闘中…こちらはもうすぐ抑え込みに成功との事です」
畄セイ
「流石は我が息子龍エンだ…それで霤メイは未だ見つからないのか?」
王宮の軍師
「は!全力で国内を探しておるのですが未だ行方が不明でして…」
スタスタ…
そこへ2人の足音が
畄セイ
「来たか。"カク"、"ビシャ"」
口と鼻にチェーンのピアスを付ける老人
「皇帝よ。この騒ぎは一体なんじゃ?これじゃゆっくり鼻毛も抜けん」
范帝国 皇帝に仕える2人いる側近の1人
【戦慄の豪傑】の兎(う) カクビ
王宮の軍師
「何と…!ご隠居されてらっしゃるカクビ様…それにビシャモン様…まで!」
顔に御札を付ける老人
「ほほほ。賊が范に攻め込むとは物騒になったもんじゃ。はていつ以来じゃ?」
范帝国 皇帝に仕える2人いる側近の1人
【地獄耳】の萊(り) ビシャモン
王宮の軍師
「会話を聞かれていたのですが…流石は地獄耳…」
その2人の実力は未知であったが第1皇子龍エン、第2皇子霤メイの武術の師匠でもあった
そして王宮の軍師が現在の戦況などを2人の側近に報告したのである
畄セイ
「先の通り。霤メイは生きているのか死んでいるのかも解からぬ…龍エンは敵大将を抑えている。しかしネズミはまだいるとの事」
王宮の軍師
「それが問題なのです。今だ息を潜めているネズミは3匹。北の港ジンショウで目撃されている"白線"のホワイト…更にはこの国の裏切り者である"朧月"の腸ウン…そして先日の武術祭で確認されている"イリーガール"のキャンディの行方が未だ不明…この者達が攻め込んで来たら…と考えると」
カクビ
「霤メイ坊ちゃんはあの性格だ。興味本位で賊に近付き、してやられたのかの。よっほい、鼻毛取れてすっきりだのォ」
ビシャモン
「ばっちぃぞカクビ。………ネズミは不味くてわしゃ嫌いじゃ」
畄セイ
「カク、ビシャよ。残りのネズミを任せたいのだが?」
ビシャモン
「折角隠居しておったのにのォ」
カクビ
「事態が事態。仕方があるまい」
ビシャモン
「しかし賊の目的が皇帝の命である以上…最悪のケースもあるのォ。カクビ、貴様はここで残って皇帝の護衛をするのが良いじゃろ」
カクビ
「あい解った(フン…タヌキジジイめ。自分1人だけ賊と遊びたいのだろう)」
王宮の軍師
「ビシャモン様くれぐれもお気を付けて」
ビシャモン
「アホ抜かせ。誰にモノを言っておる。こう見えても狩りは大好物でのォ」
カクビ
「おーお。張り切りおってビシャモン」
ビシャモン
「カクビ…皇帝を…後を頼むぞ」
カクビ
「カッカッカッ。鼻毛の様にむしり取ってやるよ」
ビシャモンはスキップしながら皇帝の部屋を後にしたのであった
王宮の軍師
「ビシャモン様のスキップ…何処か奇妙な…」
そして時間は少し進んだ
ー王宮の大きな中庭ー
ビシャモン
「王宮内は悲惨だのォ。僅かに息をする者も残ってはいるが…」
救護班の1人
「ビシャモン様の指示で助かる者は速やかに運んで応急処置をしております」
ビシャモン
「頼んだぞ。わしゃネズミ狩りをして来るんでのォ」
救護班の1人
「ネズミ狩り?」
ビシャモンがまず警戒をしたのが未だ姿を見せぬ毒蜘蛛の一味ホワイト、腸ウン、キャンディの3人の存在であった
ビシャモン
「見聞色は久方振りじゃのォ…ほう…強い生命力が4人かの…1人は龍エン坊ちゃんで残り3人が賊って所かのォ」
ビシャモンの見聞色での感知半位は約10km、その中で微かな反応を感じ取り中庭に出て来たのであった
そして少し離れた中庭にあるテラスに座る1人の女
キャンディ
「きゃはは!どうやらわたーしに気づいてるくない?」
キャンディもまた見聞色にて近くにいるビシャモンの殺気を感じ取っていた
キャンディ
「きゃはは!この距離まで殺気を放つなんて…やばくね??」
すると
シュン…!!
ビシャモンがキャンディの前に降り立つ
ビシャモン
「お嬢ちゃん見ぬ顔じゃの。貴様が賊の1人かのォ?」
キャンディ
「ゲ!!嘘!!殺気がした傍から直ぐにわたーしの前に現れるなんて」
ビシャモン
「ほほほ。半世紀前なら音を消して根首を掻けたんじゃがのォ」
ビシャモンの見聞色は范の体術『瞬』と組み合わせる事により特定の相手の場所に瞬時に移動する事を可能にしていた
これはビシャモンのみに許された神業である
(Android/Chrome, ID:Q46ClcY00)
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