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485.《FREEDOM-千夜一夜-》
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61 :イエロー
04/01(火) 07:41
第42夜<帰路に着く(5)>
バレンタイム
「はァはァ。…俺じゃねェっての」
磔られていた犯人とされている男はバレンタイムであった
その体は傷だらけであった
セキュリティの男達
「こいつは先日賭け金を踏み倒して逃走及び、我々の金庫から金品を盗んだクソ野郎だ」
「さっさと盗んだ物を返しやがれ」
バレンタイム
「だから俺じゃねェよ。あ。まァ賭け金踏み倒したってのは本当だけど。おーおー見物人が多いこって」
ざわざわ
甲板は人集りが出来ていた
ジャンク
「こいつか。金庫泥棒って」
ザリー
「へッ。とうとう捕まったか」
バレンタイム
「おー!昨日のお姉すわァん!」
ザリー
「気色悪い声出すな」
男の子
「…お兄ちゃん…ぐすん」
そして何故か涙目の男の子が佇む
セキュリティの男達
「ここらで見せしめに拷問に掛けるか」
「それとも殺すか?勿論盗んだ物を返して貰ってからだがな」
バレンタイムが何故捕まったのか
実は昨夜金庫に忍び込んで金品を盗んだのはバレンタイムではなく1人の男の子であった
その男の子の父親がこのギャンブル船にて店側にハメられて多額の借金を作り、奴隷として働かされていた
その借金を返す為に男の子は金庫に忍び込んで金品を盗んだ
そしてセキュリティの男達に見つかりそうになる所を偶然その場に居合わせたバレンタイムが男の子を見逃して逆に捕まったのであった
ザリー
「興味はねェが…本当にてめェがやったのか?」
バレンタイム
「賭けてもいい。俺はチンケな泥棒なんかやらん。それに女の子に嘘もつかん」
タタタッ
そこへ警備員の1人が走って来た
警備員の1人
「セキュリティ!これ見てくれ」
警備員は金庫の近くにセットしていた映像電伝虫をセキュリティ達に見せた
その映像には男の子が金庫に侵入し金庫から金品を盗み出されていた所をはっきりと映っていた
セキュリティ達はすぐさまその場にいた男の子を取り押さえた
男の子
「ぐわァ!」
セキュリティの男達
「貴様だったのか!」
「子供だからと言って容赦しないぞ」
バレンタイム
「おい!よせ」
バキィッ
殴り飛ばされる男の子
男の子
「うわァん」
セキュリティの男達
「盗んだ物をすぐ返せば痛くせず済むぞ」
「子供の奴隷は高く売れそうだ」
男の子
「ぐ…うるさい!僕のパパはお前達に…お前達店側にハメられて借金背負って奴隷にされたんだ!」
泣きながら訴える男の子
セキュリティの男達
「ハメられた?ギャンブルに負けた奴らは皆口揃えてそう言うんだよ」
「このガキ!もう少し痛め付けてやるか」
セキュリティの男達は男の子へ刃物を向けた
バレンタイム
「世話がやける…しょうがねェ…な!」
パキ…パキ!
磔られていたバレンタイムは鎖を引きちぎり男の子の下へ走る
セキュリティの男達
「嘘だろ。鎖を引きちぎるなんて」
「何て膂力してんだよこの男は」
バレンタイム
「ッたくよ。バレちゃしょうがねェ」
ギュッ
腕に巻いてあった青いバンダナを頭に巻いたバレンタイム
セキュリティの男達
「奴を取り抑えろ」
「捕まえろ!」
バキィ!バキィ!
セキュリティの男達を殴り飛ばして行くバレンタイム
ザリー
「おいジャンク」
ジャンク
「おいまさか…?」
ザリー
「俺も喧嘩に混ざるぜ」
ザリーもその暴動に巻き込みセキュリティ達との乱戦に突入していく
バレンタイム
「…何でお姉さんが入ってくんだ?」
ザリー
「うるせェな。喧嘩すんのに理由が必要かよ?」
バレンタイム
「まァ確かに。てかお姉さん何でそんなに腕っ節強いんだ?」
ザリーとバレンタイムはあっという間にセキュリティの男達を全員ノシてしまったのである
男の子
「お兄ちゃん、僕の為にありがとう…」
バレンタイム
「はァはァ。もう流石に殴り疲れたぜ。…坊主…もうこれに懲りたら金庫泥棒なんかやめろよ」
男の子
「わかったよ。ぐすん…」
ジャンク
「…お前何でそこのガキ庇ったんだ?」
バレンタイム
「女子供には優しく。それが俺のモットーだ」
その後は大変であった
セキュリティの男達は違法レートのギャンブル及び店側が勝つギャンブル行為の数々、奴隷商人との繋がりや臓器売買…黒い噂が耐えないギャンブル船
今回の一件で海軍が介入するまでの事件となっていた
ジャンク
「おい、海軍が軍艦2隻で近付いてくるぞ」
船員達
「まずい!」
「逃げましょうよ姐さん!」
ザリー
「逃げるだァ?俺達は何も悪い事しちゃいねェんだぞ」
バレンタイム
「え?お姉さん達もしかしてお尋ね者だったり…?」
ザリー
「誰がお姉さんだ。俺ァザクロだ」
(Android/Chrome, ID:55TtNio60)
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