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485.《FREEDOM-千夜一夜-》
 ┗68

68 :イエロー
05/20(火) 19:57

第49夜<彼岸(1)>
>>65の続き

ザリー
「あの野郎(オリヴァ)は…!どうなった?」

船員達
「凄かったらしいすよ!」

「あの後実は"キャ…」

メディ
「馬鹿。それは言わない約束でしょ」

ザリー
「何だ?何か隠してんのかてめェら」

メディ
「ううん。ザクロちゃんは出血多量で気絶しちゃってたから知らないと思うけどあの毒蜘蛛の一味のオリヴァって男はザクロちゃんとジャンクとバレンで仕留めたんだよ。ウチちゃんと見ていたから」

ザリー
「俺が気絶だァ?そうか…」


何処か腑に落ちないザリー


メディ
「ザクロちゃん心配したんだから!手術後1週間も寝ていたんだよ?」

ザリー
「何。それじゃあ1週間も飯食ってなかったのか。おいてめェら何でもいい…口に入れてェから持って来い」

メディ
「まだダメよ。軽いお粥くらいにしないと」

ザリー
「粥なんか食ってられっかよ。血を流したんなら肉だ肉。それよりあのバカ2人はどうした?」

メディ
「ジャンクとバレンの事?あいつらは先週まで寝たきりだったのに飛び起きて…今おじいさんに稽古付けて貰ってるらしいよ」

ザリー
「はァ?ジジイに稽古だァ…?」

メディ
「しかもあの2人…(ザクロちゃんが目覚める事を信じて病室には1回も来なかったのよ…呆れたわ)」


ー王宮内ー
龍の道場の間


ビシャモン
「ほほほ。今日はまだ3時間しか経っておらんぞ。どうした?そんなへっぴり腰じゃわしゃの赤い紐は取れんぞぃ」


ビシャモンの腰に括り付けてある赤い紐を取る、単純明快なゲームが行われていた


ジャンク
「はァはァ…何て脚力してんだこのじいさんはよ」

バレンタイム
「クソ!動きが速過ぎて見えねェ」


ジャンクとバレンタイムは自分達の力の無さを実感し、毒蜘蛛の一味の1人(キャンディ)を倒し敵大将(アポロン)を追い払ったとの噂を聞いたビシャモンに稽古を志願して実力を見て貰っていたのである


バレンタイム
「ガチで行くぞ。憤怒(フンド)の拳」

ジャンク
「静寂の斬撃(サレインズ)」


バゴォォォン!


ビシャモン
「力は良し。だがそれだけじゃのォ」


足だけで2人の攻撃をいなしたビシャモン


ジャンク
「どうなってやがる…足だけで」

ビシャモン
「強さの先を知りたいかのォ。若い獣達よ」

バレンタイム
「俺がオリヴァから感じた強さは別次元だった」

ビシャモン
「ほォ…毒蜘蛛の一味の者か。そりゃ覇気じゃの」

ジャンク
「ハキ…?何だそりゃ」

ビシャモン
「あ。時間だ。すまん今日は外せん用事があるからのォこれまでじゃ」


今日は偉大なる【皇帝】の畄セイの死去、【側近】のカクビ死去による国葬が大々的に執り行われた


喪主は【第1皇子】の沁 龍エン


龍エン
「…後は我々が…皇帝…そしてカクビ先生…安からに」


龍エンは花束を手向けた


柳ギョク
「ぐすん…父上…!」


国を上げた国葬は連日に続き、そして数日後には次期皇帝の任命式が執り行なわれた


文官達
「第11代皇帝の名は沁 龍エン…」

「この王冠を…」


王冠を被る龍エン


文官達
「皇帝よ!最初の任を!」

「命じてください…!」


龍エン
「霤メイ奪還…そして"コトコトの実"を我が手に収める。だがこれは命ではない。私が直々に向かう」


スタスタ…
龍エンはとある部屋と向かう


ー王宮内ー
柳の間


そこは【第3皇女】の住む柳ギョクの部屋


柳ギョク
「龍エン兄さんが直々にわたくしの御部屋に訪れるなんて珍しいですね…此度の戦お疲れ様でございます…そして…皇帝任命おめでとうございます」

龍エン
「…」

柳ギョク
「それにしても…火傷酷いですね…特にお麗しかったお顔までそんな酷い事になるとは…」


アポロンの能力により全身火傷を負い、顔は半分エグれており包帯で隠す龍エン


龍エン
「世間話に来たのではない。率直に聞くぞ柳ギョク。"侵略者である毒蜘蛛の一味に何を話した"」

柳ギョク
「何を…!?」

龍エン
「今回の侵略劇はそもそもがおかしかった。広大な広さを誇る王宮内を侵略者達は知っていたかの様に動いていた事実。元この国の出身である腸ウンが向こうにいるとしてもだ。それに皇の間に"ウラウラの実"の能力で黒い穴を開ける事は…前持って準備していなければ説明が付かん。内通者が指示を出していたとしか言えん…とな」

柳ギョク
「それで内通者がわたくしだと?」

龍エン
「柳ギョク…貴様が外海出身の側室の子という事は我らが兄弟と前皇帝だけしか知らない事実だが…貴様は前皇帝の命にて王宮から出てはならぬと固く禁を置いてハズ…だがここ数年夜な夜な何処かへ出かけていた事は隠密隊"八部衆"から聞いていた」

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65 :イエロー
05/02(金) 12:36

第46夜<帰路に着く(9)>

メディ
(これまで人の顔色を伺って来た人生だった…いや…でも…それじゃ駄目…)

エアロ
「小娘が!容姿だけが取り柄で俺の部下にしてやったこの恩を…仇で返すと言うのか!?調子に乗るなよ?貴様の言動次第ではクビにしてやるぞ」

メディ
「なァん……うるさい!!そんな海兵…こっちから願い下げよ!!」

ザリー
「ふッ。よく言った」

エアロ
「…ならこの場で死刑を言い渡す」


ガチャン…
エアロはメディに銃を向けた


エアロ
「あの世で後悔するといい…この私に楯突いた事を…!」

メディ
(私は…私は言いたい事を全て言えた…!もう…もう思い残す事は…何もない…!)


その時であった
ただ1人、密かに動く女が1人


ザリー
「くたばれよ。クソ海兵!」


バキィ!!
エアロが銃の引き金を引く間際に釘バットでエアロの脳天を思い切り殴り飛ばしたザリー


エアロ
「ぐッは!」

メディ
「え…何でウチを…!」

ザリー
「…」

ジャンク
「ジャクハハハ。カエル女…これはザリーの気まぐれだ。気にすんな」

メディ
「気まぐれ…で助けてくれたの…?」

海兵
「き、貴様!エアロ中佐に何と言う事を!」

「この女…良く見たら見覚えが」

「"女海賊"!ザクロだァ!」

バレンタイム
「良くやったザクロ。俺も我慢ならねェ」

ジャンク
「仕方ねェな」


その後は海軍とザクロ一味の海上戦が始まり、1時間後にはザクロ一味の勝利で幕を終えた


エアロ
「ぐは…はァはァ。貴様らの顔を覚えたぞ…そしてザリーとか呼ばれてる女が船長だな…?貴様らただ済むと思うなよ?この私にこんな事をしておいて…"海賊"風情が…!」

ザリー
「へッ。面白ェじゃねェか。だったらその前に俺が"海賊"として…てめェら海軍、いや世界政府のくだらねェやり口を全部ぶっ潰してやらァよ」


親指を下に立て言い放つザリー

海軍はザクロ一味に敗北して商船の物資や金品などを返してから引き返していく事になる

こうしてザリーはこの一件より【女海賊】から【海の執行人】と呼ばれるようになった


メディ
「あの…もし良かったら…私もあなたと一緒に行きたいです"ザクロちゃん"」

ザリー
「は?意味が解んねェ」

メディ
「一応私医者だし…それにザクロちゃんの専属医として役に立つと思うし…後は髪も毎日洗ってあげますし、それに寝る時は私がくっついて体を温めてあげれますし」

バレン
「何て羨ましい…!」

ジャンク
「おい専属医って…俺らは?
てかお前海軍はどうするんだ?俺達は完全にこれから海賊として動くんだぜ」

メディ
「海軍には私の居場所はないから…それに今はザクロちゃん一筋ですから♪後これから偉大なる航路(グランドライン)に向かうとするならこれも必要でしょ?」


記録指針(ログポース)を見せるメディ


ジャンク
「それは!お前それを何処で手に入れた?」

メディ
「海軍からくすねてきた物よ。どう?ウチも役に立つでしょ?」


こうしてメディは記録指針を交換条件という形で無理矢理にザクロ一味に加わる事になった

そしてこの日を境にザクロ一味はザリー海賊団として世に広まる事になる

その数日後には1つの懸賞金が出回る

ザリー海賊団【ヤブ医者】のDr.メディと


メディ
「なァん…!ヤブ医者!?」


エアロの嫌がらせで【ヤブ医者】の通り名が付いたのであった


バレンタイム
「ようこそこちらの世界へ♪」

メディ
「あんたは許さない!バレン!」

ジャンク
「ふッ。賑やかになったな」

ザリー
「ギャーギャー騒ぐなてめェら」


ツーツー…ツーツー…ツーツー…

機械音が微かに聞こえて来た

ザクロの冒険はまだまだ続くがそれはまたの機会に

現在に時刻は戻った


ー范帝国ー
王宮内の治療室


ザリー
「…く…はッ…」

メディ
「ザクロちゃん!目覚めたの!?」

船員達
「姐さん!!」


ザリーは毒蜘蛛の一味オリヴァとの戦闘にて出血多量で気絶していた

ザリーの珍しい血液と同じ血液を持ち合わせた男、偶然その場に居合わせた父親キャップの血を輸血して何とか生き延びていた


ザリー
「俺は…何を…?」

メディ
「え…?」

ザリー
「いや何でもねェ
(今迄走馬灯でも見ていたのかよ…俺は)」


船員達
「流石は姐さんだぜ」

「死んでも死なねェ女だ」

メディ
「ぐすん…何て強運の持ち主なの…まさか息を吹き返してくれるなんて…!本当に…!本当にもう目覚めないかと思ったんだから」


そしてオリヴァにより切断された右足は范帝国の医療技術により手術で接合されていた


ザリー
「強運…か。凶運だぜ…これはよ」


目覚めたザクロ、無事帰路に着く

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