---> 五:月の:蝿
被虐待児は親から逃げるという選択肢が無いらしい。昼間っぱらから何の話かって?隣のマダムの世間話に耳澄ます話だよ。毎日暴行や罵詈雑言の中なのに、子どもは親に縋り付くしかないらしい。そして親も自覚は無い。施設に措置され引き離されると、子は脱走し親は怒鳴り込みに来るんだとか。歪んだ愛情や執着心の終着駅は酷く臭う。
でも、分からなくもないかもしれない。だって親だぜ?子どもにとって親は絶対的で、世界で、神様だ。神様にどんなことをされたって許すしかないし、愛を請うし、縋るだろ。
「神様、ごめんなさい、ボクが悪い子だから、ごめんなさい、だから、どうか、」
その家の前を、イヤホンで流行りの音楽にノりながら通り過ぎるんだ。きっと、な。