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1037.飛びだせ、シーチキン!(背後透)
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10 :赤司征十郎
2018/02/02(金) 20:17

世界がキミに微笑んだ!


オレは笑えないが。

門の横で聴き慣れた甘えた声。出迎えか?、お利口さんだね…いい子だよ。とても。
愛らしく持て余したそのボディ。
オレがその場で屈んでシーチキンおいでと呼べば、まぁーんと返事をする癖に、来ない。
へえ……。再び先程よりも優しく穏やかにおいでと二度目の呼びかけをすれば、また返事をして近寄って来た。足に体を擦り付けて来る。シーチキン寒いだろう、冷えてないかと心配しつつ撫でてやれば体はとても温い。ずっと撫でて欲しいのかマーキングなのか分からないが懸命に体や頭を足に押し付けて来る。そのまま冷えた地面にごろりと寝転がる。犬の様だ。
おや…良く見ればお腹の辺りに茶黒色のポケットの様な模様があるのか。何度も撫でてやれば手にじゃれ付いて来た。
その瞬間サクッ、とシーチキンの爪がオレの右手首に刺さった。左手には噛み跡が。

愛が痛いよ。だから笑えないけど笑おうか。

追記。
静江さんが炊飯器のボタンを予約と保温を押し間違えるのはこれで何度目だろう。



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