レグルスは言った

寝掛けに見た夢が最悪だった。
もう覚えちゃいねえが、最悪だったっつー気分の悪さは残ってる。

意識が夢に落ちる前、丁度二つが混ぜ合わさってる様なあの時。ほぼ夢の中に居た筈なのに意識が引き上げられた。
(引き上げられた、って言うよりは無理矢理引き摺り上げたのかもしれねえが、全く以って定かじゃねえ。)
その途中、回転率が緩々に落ちた頭は何故か縋る場所を探してた。探した所でそんな場所が在る訳ねえのに。
…在る訳ねえのに、オレの記憶と意識が辿り着いたのは＿つ。寄りにも寄って其処かよ、と自分自身に悪態を付いた。同時にそんな自分に薄ら笑いすらした。
完璧に意識が浮上して思い出した様に瞼が上がる。何も見つかる訳の無い真っ暗な中、天井を眺めたまま手を伸ばす。当然、掴める物も無ければ温もりも無い。
適当な理由を持ち出して馬鹿な思考に却下をすれば何も掴めない掌を一人握り込んで胸元に抱えて、今度こそ、と再び目を閉じた。

×××××

本当に酷い奴だな、オレは。

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