正直、面倒な事が嫌いだ。
人との繋がりを断ち切っちまおうかと思う時すらある。
柵だとか、そう言う物で雁字搦めになりたくはねえ。
其れでも時折、身動きが取れなくなって、右も左も分からなくなる。上を向いて居るのか下に転がってんのかさえも。
そう言う時は一刻も早く其処から抜け出したくて、踠いてみては動くのを止めて。そんな事を繰り返す。体にも心にも負荷は掛かってんのに、涙の出し方も忘れて振り絞った声は音にならずにまた喉に落ちる。
なのに、思うだけで断たねえのは、断つことが出来ねえから。解放された後もそう。どうやって言いつつも、不意に訪れる後悔を、既に其の時ですら感じてるからだ。
だから、どんなに隅に縮こまって刃物を握りしめて居ようが、その重みから逃げるように手を離す。
底に何が在るのかは分からねえ。ただ、見えねえストッパーがあって。結局の所、オレは其れに助けられてるし生かされてるんだろうな。
×××××
オレも、一人間で。
傷付く事だってある。けど、何んともねえって顔さえ貼り付けてれば、バレねえ。
言葉にしなけりゃ伝わらねえんだ。
でも、間違いは正してえと思ってる。対何にでも。それで相手が納得してくれんなら万々歳。
万が一、オレがどれだけ傷付いたとしても、オレの言葉で誰かの心を抉る程傷付けんのはしたくねえ。
何故かは知らねえが、言葉選びは大事なんだと遠い昔に教わった気がする。
ただ、久しぶりに言葉が出ねえ程に痛いと思った。
そんなつもりじゃ無かったんだけどな。
結局の所、つもりじゃねえだけ、か。
今更ながら、良く考えりゃ唯の自己満だよな、あんな物。ハッ、其れで痛ぇとか、どのツラ下げて言ってんだか。オレが糞野郎過ぎていっそ笑えるわ。
×××××
返そうと思っちゃいるし、その為に脳内で言葉を並べてみる。
でも、いざ意図して指を動かそうとする度に、昨日の横っ面を思い切りぶん殴られた様な衝撃が戻ってくる。
結局、開きもしねえで違う事に走っちまう。
×××××
嘘だろ。
頼むから、オレから此れを奪ってくれんな。
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