昨夜何気なく"お前は猫っぽい"と口滑らせちまったオレに「あいつらのように気紛れではない」って言葉が返ってきて、確かにそうだなぁって納得した。これと決めた事にはとことん一途で真っ直ぐで、逆にもうちょい他に目向けたら?って思うほどの石頭。才能に胡坐かいてんのかと思えば蓋を開けりゃ誰より努力家、全力で熱量注ぎ込む事を惜しまねぇその姿にうっかり惚れちゃったんだよね、オレは。勿論相棒としてだけど。 でもここでの猫呼ばわりはやめない。外国の人って彼女の事「可愛い子猫ちゃん」って呼ぶじゃん?そのニュアンスって事で。愛してるよ、オレの猫ちゃん。
そんな我がエース様は恋愛においても人事を尽くす事に人事を尽くしてる。…あれ、日本語ヤベェなこれ。 アイツを恋愛対象として意識し出したのはオレの方が後だったから、こっちとしちゃなんでこんな馬鹿みてぇに面白い性格した綺麗な男が平々凡々な笑い袋をそういう目で見ちゃってんのか頭ん中ハテナでいっぱいだったんだわ。すげぇタイプだったから隙見て食ってやろうとは思ってたけど、まさかそれが完全に裏目に出るとは。好き勝手して一方的に部屋出てったアイツに文句の一つでも言ってやろうって追っかけた先で告げられた衝撃の事実。…いやもう、正直。全く気付いてなかった。馬鹿でゴメン。ふと思い返したらさ、文句言いに乗り込んでった日オレ「天地がひっくり返ってもお前のものにはなんねぇよ」とか言っちゃってたんだよね。はは、…どの口が。ひっくり返っちまったよ、天地。でもそれはお前が女々しかったからとか可愛かったからとかそっちに原因があるワケじゃなく、単にオレがお前を性の対象として見てたからってだけだから安心してねって言ってやりたい。続く言葉が「お前がオレのものになるならまだしも。」だったから、分かってんだろうとは思うけど。…加えて面と向かって正直に"お前のこと抱きたいと思っててごめん"って謝ったから、この件に関しては許して貰えてると信じたい。
そういう関係になって知ったのは、アイツが溢れんばかりの愛情を言葉と態度と表情でめいっぱい伝えてくれるめちゃくちゃ誠実な人だったって事。 大事なモンはすげぇ大事にするし、何よりあの我儘っ子が溢れる本能必死に抑えて熱っぽい声でオレの名前呼んでくれんの。…堪んなくね?何度生唾飲み込んだか分かんない。 主張の強い同属同士が殺し合わずにこうして平和に日々重ねられてんのは、それこそアイツがオレの為に沢山の物事を我慢してくれてるからだってちゃんと理解してる。永遠だとかそういうミラクル信じられるほどオレの頭ん中は綺麗じゃねぇけど、お前がずっと傍に居る未来を思い描くくらいの想像力と夢見る心は持ってるつもり。 だからオレも、夢を夢で終わらせねぇ為の努力は惜しまないのだよ。アイツの隣は譲らねぇ。相棒としても、恋人としても。
…あれ、オレってこんな欲深かったっけ?
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