「解散してから「やっぱオレが頑張る!」とか言うん禁止な」「げ、バレてやがる…徹夜すりゃイケる!」「あかんて、寝て。倒れんで?」「一回だけ!」「あかん。お前が徹夜する位ならその曲消そ。怖いなら言うから」
土下座の頼み込みで二時間だけ猶予貰った。今吉パパ厳しい。心配からだって分かってるけどどうにも上手く返せない。最終的に拗ねてビンタされて、嗚呼こんなに気に掛けられてるんだなって思ったけれど、矢ッ張り上手く返せない。
断る勇気が無い。途轍も無い恐怖。今だって、気を遣わせてしまってる事実が申し訳なくて罪悪感で泣きそうだ。
今吉は今日徹夜するらしい。早めに連絡切り上げないとお叱りの電話がやって来そうだ。今電話何てされたら泣いちまう。お前の前では泣きたく無いんだよ。
御免なさい。御免なさい。
オレ、頑張るから、だから、
結果的に泣いた。
「一人で苦しむより皆で楽しもうや」って言う今吉の言葉に耐え切れなくて泣いた。「泣かんでええんやで」って言われてまた泣いた。悔しさと罪悪感、それから恐怖。彼奴だってオレより詰んでる癖に、だからこそしんどさが分かるから守ってくれる。望んでねえよ。お前のは自分を大切にしてくれよ。何度言ったって同じ台詞を返されて届きはしないけれども。
こんな荷物、いっそ捨ててくれ。