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1082.Without noticing.(背透/R20)
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3 :緑間真太郎
2018/05/09(水) 00:39

 室内に雨音が響いている。それもとても強く。
 少し前には長袖を着ていられない程気温が高くなっていたというのに、近頃には上着がなくては寒い様な日が多い様に感じられる。
 今日も肌寒い日であった。途中途中、自らの運動の具合では暑いと感じる事もあったが外気は常に涼しいと感じられる程の温度だった様に思う。
 …余談だが室内の空調は一体誰が決めて温度調節をしているのだろうか。皆が集まる場での空調は概ね適切であるとは言いがたい温度設定である様に思うのだよ。空調の責任者というものは一様に暑さ、寒さに敏感な者なのだろうか。周りの声を聞いてみても空調の為過剰に暑かった、寒かった、と適切でないという意見が多い様に思うのだが。
 まぁ、様々な理由から導き出された適切と思われる温度設定であるのだろうと推測するが、それでも不思議でならない。
 空調の不思議について、アイツも似た様な事を言っていたなと思い出す。アレは寒いので軽く羽織る事の出来る上着をロッカーに入れたままにしているのだと言っていた。
 他人に自らの都合を押し付けず、自らの健康を守るその行動は良いものだと素直に褒めてやってもいいのだよ。冷房も必要な者には必要なのだろうが、体を冷やす事がない様に願う。
 しかし、寒さに震えているアイツを想像するに、中々愛らしいと思えない事もないので、また冬が巡ってきた折にはそうして寒がる姿を見たいと思う。
 勿論見るばかりではなくその後には出来る限りを尽くして暖めてやるのだよ。恋人の不調を見て喜ぶ性癖はオレにはない。

 さて、話を戻して、現在。オレは自室で机に向かっていたのだが、意識の切れ間に入り込む音があった。窓の外、地面を濡らす静かな雨音だ。
 それまでは気が付かず無音であると思っていたのだが、一度認識してしまえば耳につく。静かな雨音は次第にその音を大きくしていった。どうやら雨脚も強まってきたらしい。
 こんな風に雨が降っていると知覚して、それに触発されてか肌寒さを覚えて、不安定な気候に春らしいを感じると共にそれを伝えたいと脳内で溢れる言葉があった。
 言葉の向かう先は、勿論胸に住み着くアイツに。
 だからこうして日記を書きに来たのだよ。それまで取り掛かっていた作業は未だ完結していないというのに、ふとした日常に潜むアイツの影が憎らしく愛しい。


(一頁に収まりきらなかった様なので頁を跨ぎ、二枚を一枚分とする。)


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