水底を、染める浅葱の深い靄が、霞がかった山吹の、きみの瞳を隠してしまう。
(きらきらとひかるこの水槽のなかはとても生温い水温が満たしていて、小さい泡が渦を巻いて水面へと。)
真綿でくるりと包まれた、この場所はとても気持ちがいい。
(そばにいてくれる、その指先を離すことがとても難しくて、眩しい朝陽のなかで閉じたままの瞼のよう。)
水底をたたくのは? (尾鰭に触れるのは?) やわらかな鱗を撫でるのは? (どうしても、笑い合っていたいのでしょう)
(ぐるぐるぐる、流れた涙が掌へ、くぼみにおちた水滴が、ゆるりとたまって海になる。)
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