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146.ネヘレニアの涙ひとつぶ(背)
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37 :黒子テツヤ
2013/11/14(木) 19:19



緩く綻ぶ八重咲きの花弁が美しくて、泳ぐ足を止めました。
寒さに震えかたく凍える深緑のあいだ、ひっそりと息づくべにいろの花。
夜露に濡れる花弁に、芳しい匂いがふわりと辺りを包みます。
いじらしく、一輪だけ咲いているその姿が、とても愛おしい。
ゆっくりと、水底から指先を伸ばして。
散らさないように、きみにふれてもいいでしょうか。

(さむさがきつくなればなるほど、そのべにいろは深くなる。)
(愛しいとしい寒椿、今年も貴女の季節がやってくる。)


(さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい。)
(鳥籠の中の金糸雀が、小さな声で鳴いている。)
(狭霧の驟雨が立ち込めて、貴女の涙が水面に落ちる。)
(貴女の吐息が北風と、指を絡めてワルツを踊る。)
(裸足に触れる海原に、浮かぶ水泡が白波を立てる。)

(おどるあなたの歌声に、惹かれて今年も冬がくる。)



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