**ヤキモチ妬き** ーーーーーーーーーーーーー
ふと目が覚めると、黒い猫耳に尻尾をゆらゆら揺らしながら全裸で俺の腹の上に跨って赤い顔をした日向が居た。明らかに発情期の顔で、「きよし、きよし」って何度も呼ぶその姿の異様な光景を前に、俺の思考が鈍る。
寝起きの俺にどうして欲しいのか、なんていうのは発情期漂わせた猫ひゅうがを見れば一目瞭然で手を出さないなんていう考えはまったくもってなかった。思考を鈍らせ、動きだそうとしない俺に痺れを切らした日向は、俺に擦り付いてくる。その行動に触発されたよう手を差し伸べた……
っていう夢を見たんだ。
目が覚めたときの、この絶望感は表現しがたい。あんな可愛い猫ひゅうがを触れなかった悔しさから本物の日向(?)にこの事を話してみた。
淡々と話しを聞く日向…しかし、どこかおかしい。 不機嫌なような、態度が素っ気無いような…違和感を覚えていたときのことだった。
「夢のなかの俺を抱いたりしねぇ?」
…本当に可愛いのは夢のなかの日向じゃなかった。まさか、日向が夢のなかの自分に嫉妬するなんて考えもしなかった。俺の嫁は本当に可愛い。
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