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少し目を離すと何をやらかすか分からない、まるで子供の面倒を見ている様な気がする時も有るのは此処だけの話。良くも悪くも自由奔放なテツヤだからこそ、此の僕の適当さと気紛れさにも付き合えるのだとは思うけれど…僕だけが彼奴を評価するのは癪だからね、此方も幾つかテツヤの可愛らしい一面を教えてあげるとしようか。
何を言っても「有難う御座います」「ご褒美です」「褒め言葉です」「赤司君prpr」位しか言わなそうだが、…僕は負けない。遣られたら遣り返すのがこの世界の常識、だろう？(震え声)

先ずは…―そうだね。初めて顔を合わせる事と為った日…テツヤはクールだったり懐かない猫を思わせるかもしれない、と語っていたんだ。其れがどうした事か、無事合流出来た彼奴はクールのクの字も猫のねの字も無い、初っ端からご飯の心配をし始める程度にはフレンドリーじゃないか。拍子抜けする程には緊張もぶっ飛んだ訳だが、あれでテツヤも緊張していたなら撫で回したい。そうで無かったとしても撫で回したい。
二日目に聞いた話だと、付き合っているとは云え其れはキャラ同士としてなのか本体同士としてなのかの判断が付かず、手を繋ぐ事すら躊躇っていたという胸キュンエピソードも有る。友人としても手を繋ぐ位はするのだから気にしなくて良いとも思ったのだけど、はっきりさせない内は行動に移せなかったのだろうね。因みに、僕からは手を繋がないと先に言ってあったから、此方から動く気は一切無かった事も付け足しておこう。

二日間を共に過ごしていた以上、常に二人一緒に行動するのは当たり前だったんだが、テツヤは事有る毎に気を遣って呉れると云う紳士っぷり。入った店で席に付く際、エスカレーターや階段を利用する際にはお先にどうぞの一言。エレベーターでは先に乗り込み待っていて呉れるし、街中をぶらつく間は足や疲れの心配をして呉れる。僕が気遣うよりも先に声を掛ける辺り、優しさを併せ持つクズなんだと考えを改めさせられたよ。
…此処迄ならとても良い恋人に思えるだろう？だが残念ながら、彼奴は重度の赤司中毒者だ。気の利いたエスコート中も、きっと何か良からぬ事を考えていたに違いない。此れは後で問い詰…聞いてみようかな。

嗚呼…あと、テツヤはインポらしい。テツポ(笑)ゴブヤ(笑)

そんな彼奴は自分をクズだドＭだと下卑する割に、其れにかまけて自己を優先し我を通す事は無い。何時だって一歩先を読み其れに相応しい言動で僕を導いて呉れるし、ストレートな愛情表現で此方の気持ち迄をも引き出して呉れる。僕の為なら自分を犠牲にしてでも、と云う言葉其の儘に我慢させてしまった事も有るだろうに…其れすらも良しとして受け入れてしまう甘さに、時折申し訳無さを感じていた。――が、僕も其れなりのテツヤ馬鹿だからね。
彼奴が呉れたもの、して呉れた事は当然同じだけ返せるし、其れ以上を望むのなら喜んで叶えてやろう。お互いの感情が突っ走っている訳でも自惚れている訳でも無く、互いの為なら、と云う考えは最早当たり前の事なんじゃないかな。――ねぇ、テツヤ？

…なんて、唯の惚気に為ってしまった様な気もしなくは無いけれど、そろそろ文字数と云う壁が立ちはだかる頃かな。
後は僕が知っていれば良い事ばかりだし、気が向けばまた…ひっそりと書き綴るかもしれない。だが予定は未定、言うだけはタダ。本来こういった場所で自分の気持ちを纏め晒すのは苦手なんだ、今回は此の程度で勘弁して貰おう。まぁ、…テツヤの言う「ご褒美」には為ったかな？質問疑問意見文句異議は認めません、はい解散。