ボクは元来、白黒ハッキリ付けたいタイプだったんですが。最近はその狭間である灰色でも良いかなと思うようになりました。

白黒な性分の所為で失ったものは沢山あって、けれど後ろを振り返る事も後悔する事も無く……つまり自信過多に自分だけを信じて、自分の世界だけで生きて来た中身の無い人間です。
これを“自分を持ってて”良いじゃないかと評価してくれた方も勿論居ましたし、ボク自身もアイデンティティの一環として貫いて来たつもりです。だからこそ終わった関係には「過去」のプレートをぶら下げ常に整理するんですよ。その作業は酷く淡々としていて、心なんて無かったと思います。未練を残した過去はこれからの時間に悪い影響を与えかねない。後悔をした所でどうにもならない。だからあの時どうすれば良かったかでは無く、これからどうするかを考えた続けた。考え続ける為にプレートをぶら下げる。ボクは正しい、大丈夫。

――でもちゃんと分かってました。それが正解なんかじゃないって事くらい。だから、本当はたまに立ち止まって、振り返って、後悔して。プレートを下げた過去を手繰り寄せては一つ一つ中身を確認しながら折り畳んでいく。
小さく折り畳まれた時、やっと本当にそれは過去としてボクの中で消化出来た時。あの時どうすれば良かったなんて分からないけれど、その経験があったからこそ今のボクが在る訳で。

ありがとうって言いたいです。ボクは本当に最低な事をしたでしょう。もしかしたらキミの心に傷を付けてしまったかもしれない。下らない保身の為に犠牲にしたモノは大きかったのか小さなモノだったのか、今となっては分かりませんが…。

今はまだ可能性に縋る事しか出来ないけれど、その日は近いです。きっと。
ありがとう。キミが心の底から笑えていますように。春はもうすぐですよ。頑張って下さい。
ボクはあともう少しで畳み終える事が出来そうです。その時はしっかりと灰色も見詰めてあげようと思います。